小川町から秋葉原

久しぶりで古典籍大入札会に出かけました。タクシーに乗ったのですが、運転手が小川町郵便局も古書会館も知らず、遙か手前で下ろされ、周辺がすっかり高層化しているのでまごつき、ぐるぐる遠回りをしてやっとたどり着きました。連れと待ち合わせて、お目当ての物を見ましたが、いっぽうで私は、「作州菅家一族合戦絵物語」と題された大判の画帖に目が止まりました。奈良絵本と同様、金をふんだんに使った合戦絵ですが、屏風に貼ってあったのか画面が日焼けしていて、詞書は何かの抜粋なのか、日付や合戦地名が出てこない。地方でこういうものを特注できるとはどういう一族か、いつ頃の制作かなど、興味津々でした。

資料収集で有名な知人に何人も出会いました。顔見知りの営業マンに、TVの鑑定番組で有名な社長が急に白髪になったので吃驚した、という話をしたら、社員も驚いた、これまでは染めていたのだそうで、先代に似てきました、ということでした。

その後、秋葉原へ電球を買いに出かけました。浴場の白熱電球の換えが近所では手に入らなくて、当初の工事業者に問い合わせたりしたところ、白熱電球は、今や通信販売か大型専門店でしか入手できなくなったことが分かったのです。連れが従いて来てくれて、共同研究の打ち合わせをしたりしながら一緒に探してくれました。来週からどさっと読まねばならない校正刷が来るので、新しい卓上灯も買って、提げて帰りました。自然光のLEDです。10~40年保つという触れ込みなので、私よりも明かりの方が生き残るのだなあと思いました。

バスに乗り、子供の頃よく遊びに行った交通博物館があった万世橋を通る頃は、すっかり黄昏になっていました。もう街には、クリスマスツリーが立っています。