渋谷の夜

昼過ぎに大学図書館へ出かけ、気になっていた本をあれこれ拾い読みしました。手に取ったのは―『徒然草への途』(荒木浩 勉誠出版 2017)、『徒然草の17世紀―近世文芸思潮の形成―』(川平敏文 岩波書店 2015)、深澤徹「慈円愚管抄』」(岩波講座『日本の思想』6 2013)、山本一「慈円の言説活動」(『中世文学と寺院資料・聖教』 竹林舎 2010)、それに『日本「文」学史』2(勉誠出版 2017)などなど―買った方がよいかどうかも含めリサーチしました。

徒然草の17世紀』は、こういう本をしみじみ読みたいなあ、と思う本。あれこれ断片的に知っていた知識がつぎつぎスイッチして、近世という時代が浮かび上がってくるような本なのですが、460頁を越え、¥13000、となると、いまそういう生活はしていないなあ(さしあたって、読み書きしなければいけないものが山積みになっている)、と溜息が出ました。

徒然草への途』には、最近読んだ中野貴文さんの本の基に、こういう仕事があったことを、改めて振り返りました。活字のせいか、版元によって本の読みやすさは大きく違うものだと痛感しました。

夜は、元の職場の女性教員の懇親会に誘われ、渋谷橋の近くで賑やかに呑みました。教育学関係の教員が積極的に出て来ていて、今後、学部横断の研究会を起ち上げる話がまとまったようです。こういう場面を見ると、私も元気が出ます。スピーチを求められ、定年後、老人生活に移る階梯のことを、話してみました。

朧月が大きくなって、桜咲く前のときめきの街を、上機嫌で帰りました。