コミュ力

昨年末からずっと、迷っていたことを書いてしまいます。手短かに書くことが難しいし、ゆかいなことでもないし、でもやっぱり見逃せない。

女性を医学部入試で差別した言訳ー女性の方がコミュ力が高いから。尤もらしい言い方をしたつもりでしょうが、つまり、女は口が巧いから実力以上に見える、と言ったわけですね、おまけに(執筆者自身の意図に反して)尤もらしく論文引用なんかして。女性が医療の現場に立ち続けるためにどんな困難があるか、それは経済効率からいってどうなのか、という問題は脇に置くとしても、あれだけの点数操作をしてしまったら、入試の意味をなさないと思います。受験生だけでなく出題者も憤るべきです。世上さんざん揶揄されたように、コミュ力が高いのは望ましい医師像ではないですか。いまの医師たちに欠けているのは説明能力とその意志だと、多くの人が感じているでしょう。

男性向けの週刊誌が、女子学生は金を払って呑ませればどうにでも出来るかのように書いた事件。当初に出したコメントは、まったくお詫びになっていません。去年問題になった新潮社の月刊誌は、さっさと廃刊してしまいましたが、むしろあの問題はもっと議論して、何がいけないのか、広く共通認識を作るべきでした。しかしこちらは直ちに廃刊にして、社長以下、丸坊主になって記者会見しろと言いたい。根拠もなく未来ある人たちの名誉を毀損したのですから。雑誌編集者・記者に、コミュ力は不要なのでしょうか。それとも編集部コメントに透けて見える下品さが、自分たちの本性だと言いたいのでしょうか。

それにしても彼らの願望、いや妄想って、ほんとに莫迦莫迦しい。そう思いませんか。

 

追記:1月9日付で扶桑社の公式サイトに謝罪文が載り、11日付で大学宛てにも詫び状が届いたことを知りました。こちらは詫び状らしくなっています。感心したのは、抗議活動を始めたICUの学生たちの時事センス。未来は捨てたものではない。