空飛ぶ酔漢

航空機パイロットの酒酔い乗務が、問題になっています。怖い話です。落ちる側だけでなく、落ちてこられる側からすれば避けようがなく、予測もできないのですから。

一昔前、未だ酔っ払い運転の取り締まりがそれほど厳しくなかった頃は、ちょっと引っかけた方が車は巧く運転できるんだ、なんて豪語する人もいましたが、さすがに今は通用しません。まして計器の多い、危険も大きい航空機のパイロットが、どうしてそんなに酒好きなんだ、と不思議に思ったのですが、時差の調整のため寝酒を飲む人が多い、という説明に、なるほど、と思いました。

しかしそれなら、乗務前の検査を厳しくするだけでなく、総合的に勤務時間と健康の管理が必要なのではないでしょうか。酒に頼らずに睡眠を確保できる環境を整える義務が、会社にもあるのでは。尤も報道で問題になった例は、時差惚け解消のための寝酒、というには深酒が過ぎるものばかりのようです。

職業によって、諦めねばならない悦楽は必ずと言っていいほど、あるものです。それがまた職業人の誇りにもなる。裁判官が、ツイッターで何でも言い散らかす行為は、言論の自由とは呼べないと思います。どうしても節酒できないパイロットは、研修期間中に酒アレルギー体質にさせるしかない、そんなことにはなりませんように。