和田珈琲

丸の内に用があって出かけました。新丸ビルの入り口では、ロボットが案内をしていました。用を済ませ、中世文学会へ行くための特急券を買おうとみどりの窓口に並び、ふと見ると、隣のびゅうぷらざには、イスラム教徒の礼拝室が設けてありました。

午時になってしまったので、3ヶ月前に入ったタイ料理店を探したら、韓国料理店に変わっていました。競争の激しさを見せつけられた気がします。

仕方なく、和食の「スープかけ御飯」という看板の出ているカウンターの椅子にやっとよじ登り、チキンと玄米と野菜スープの組み合わせを注文してみました。ヘルシーな感じですが、うす甘い御飯に焼鳥や野菜サラダが載っているだけ、美味しいというほどのものではない。スープがいまいちです。異国の屋台か何かで、立ち食いする程度の食事でしょう。しかし、隣席の若い女性は、ベーコンの載った御飯にスープをかけて、スマホ片手に平らげていました。今どきの丸の内のOLたちは、海外出張でこういうものを食べて来て、帰国後もそれで昼餉を済ませ、ばりばり働いているのかなあ、と想像しました。

帰宅する前に口直しをしたくて、店主が珈琲の蘊蓄を語ることで有名な和田珈琲店に寄り、コロンビアを注文しました。女将が話しかけたそうなので、建設の進んでいる隠居所のことを訊いてみました。12月27日に、2代82年続いたこの店を閉め、娘さんが山梨県北杜市で、同じ名前の喫茶店を開くそうです。珈琲豆は届けてやるが店の手伝いはしない、自分たちはここ地元で隠居する、という話でした。