責了

3年越しの校正をようやく責了にしました。一昨年末の講演録をもとにした本です。当初「文学研究に未来はあるか」という題だったため、私は真正直に受け止めて平家物語研究の課題を整理して書き、そのまま留まってはいられないので、あちこちで続編、そのさきの話を書いてしまいました。それゆえいま読み返すと、もう自分の中ではチューインガムの噛み屑のように感じられて、自己嫌悪になりそう。

今さら書き直すことは出来ませんから、どんどん先へ出て行くしかありません。続編として書いたものは、執筆動機についていささか説明不足だったりしますが、しかたがない。生来怠け者ゆえ、同じ事は2度書かない、という方針でずっとやってきたのですが、同じ事を繰り返し書く人の方が、世に流布することが分かってきました。最近は、前の続きをちょっと書いて、つなげていくことを心がけています。

本の名前は『文学研究の窓をあけるー物語・説話・軍記・和歌』だそうです(笠間書院 近刊)。私の原稿はともかく、他の方々は講演会の兼題や制限時間を無視して、面白い原稿になさったようです。尤も、拙稿にもちょっと仕掛けをしてあります。