食卓の演出

かかりつけの医者がぎっくり腰になって入院しました。胃腸の具合や血流のことを相談する所存で行ったのに、当分診察はできないとのこと。とりあえず、「お大事に」と言って帰ってきました。2歳くらい年下の家父長型の医者だったのですが、新たにかかりつけ医を探すとなるとまた大変。あまり若いと信用できないし、終末を看取って貰うためにはあまり年長では間に合わないし、勿論ウデと説明能力も大事です。結婚相手を探すよりむつかしい、と言ったら知人に笑われました。

幸い、半年近くかけた食生活改善が少しずつ功を奏してきたようで、胃腸は安定し始めました。ヘルシー第一でつまらなかった食卓に、それなりの演出を試みる余裕もできました。近所の公園から失敬してきた山椒の若葉を、皮蛋に載せてみたら、これが美味しい。ふつう皮蛋は芥子をつけて食べますが、山椒の芽に合うことは発見でした。粉山椒ではいまいちのようです。

若い頃は朝食に卵を焼いていたのですが、コレステロールが気になる年頃からは、ソーセージやハムで蛋白質を摂っていました。最近、加工肉は危険だというキャンペーンが盛んになり、やむなく茹で玉子に切り替え、宮城のぐい呑みをエッグスタンドに、桜塩を振って食べることにしました。

去年の今頃は、木の芽を梅干しに切り込んで、また桜漬の花の塩をはたき落として、晩酌の肴にするのを楽しみに、仕事をしたのですが・・・口惜しい。しかし出来ないことを数えず、未だ出来ることを享楽するのが人生のコツ。角館の桜の樹皮で作ったコースターに、カフェレスのアイスコーヒーが乗って、いまPCの傍らにあります。