焼肉レストラン

ずっともやもやしています。国有地のいかがわしい値引き、獣医学部の唐突な認可、高級官僚(複数)の任期半ばの辞職、公文書の隠匿・改竄、女性記者へのセクハラ・・・どれもこれも騒がれている内容と事の本質(→正しい解決策)とがずれている、いや、方向すら違っているような気がするのです。足の裏が痒いのに、靴の上からどころか背中にお灸を据えられた、といった按配なのです。

問題がねじれた上に幾重も重なってしまったので、切り分けることさえも難しいのですが、まず挙げられるのは職業人の劣化と、各人の「分」認識の低さです。例えば―総理大臣の妻に、我々はいったい何の権限を与えたでしょうか。利得目的で寄ってくる者がいることは予測できるので、ふつうは用心する、させるものです。財務省のトップ官僚が、女性記者を1人だけ夜中に呼び出して、サシで飲食することは常識内でしょうか。記者は常在戦場、片言隻句からでも情報漏れを狙っているのだから、個人的好意で同席するわけがない。この時点ですでに、彼はその任に不適格だと思います。女性記者の方も、1年半もセクハラが止まないのに、1度もがつんと言い返したこと(お、こいつ勉強してるな、と相手に思わせるような)はなかったのでしょうか。受け身で特ダネを期待していたとしたら、職業意識が甘い。

野党議員の追及も、退職金の額より、¥8億の値引きを「合法的」と言い張る根拠の方が問題です。どう見ても焼肉レストランにしか見えない校舎は、誰の費用で撤去するのでしょうか。かのテレビ局も、部下を守れなかった上司と組織の責任は、きちんと処置するのでしょうね。その報告もして貰いたい。それぞれが、それぞれの局面で、これでいいやと済ましてきたことが、いま醜態をさらしているのですから。