民族文化の会にて

昨日は諏訪春雄さん主催の民族文化の会で、「平家物語源平盛衰記祇王説話をどう読むか」と題して講演をしました。聴衆は主に中高年の男性、会のスタッフは日本舞踊、近世絵画、沖縄文化、ジェンダー論など多彩な分野の女性たち、併せて30名ほど。60分の心算で用意したのですが、あれこれ説明を足しながら盛衰記の本文を読んだら、かなり超過してしまいました。平家物語研究には、一般の常識からかけ離れてしまっていることが多すぎる、と痛感しました。

終了後、改めて平家物語を読んでみたい、と言って下さる方が複数いたので、ほっとしました。後半は鈴木孝庸・荒井今日子師弟の平曲公演(「葵前」「二度懸」)でしたが、以前よりずっと語り物らしい演奏になっていました。荒井さんは意欲的な女性で、パラリンピックの文化プログラムに平曲を入れて欲しい、と言っていました。辻井伸行や館野泉と一緒に今井勉検校の演奏が実現したら、すばらしいことです。津軽三味線などにも相応しい奏者がいるのではないでしょうか。誰か一肌脱いでくれませんか。

その後赤坂の居酒屋で懇親会。諏訪さんは頭の怪我が治ったばかりで、今日初めて呑む、と言いながら果実酒をあれこれ楽しそうに呑んでおられました。大学院ではすれ違いでしたが、同じ指導教官の下の兄妹弟子だったことが判って、私も賑やかに呑んで帰りました。

この会はほぼ毎月開かれています。1月は21日に諏訪さんの講演「渡来の芸能と固有の芸能」及び雅楽の実演「抜頭」。茶菓代¥1000で参加自由。民族文化の会専用のHPがあります。