平曲

橋本敏江さんを偲ぶ会(自由学園明日館)に出ました。古い木造の洋館で、橋本さんの弟子鈴木孝庸さんと孫弟子荒井さんとのツレ平家で「木曾最期」を聴きました。音響がよくて、琵琶もよく歌い、お2人の声もよく伸びて、いい語りでした。私は橋本さんとの二十余年間の思い出と、お仕事の評価、平家物語研究との関係などについてお話ししました。

橋本さんは津軽藩(弘前)の平曲を受け継ぎ、譜を見て平曲120句全曲を語れる数少ない方だったのです。今日は、名古屋から荻原検校の流れを守る尾崎さんも見え、音楽理論伝統芸能を研究した上で平曲を保存しようとしている薦田治子さんや、同じ津軽藩平曲の系統を継ぐ後藤光樹さんのお弟子さんもいらっしゃって、まるで平曲伝承保存のサミットのようでした。

今後平曲がどのように継承、もしくは保存されていくか、知恵を絞りながら見守りたいと思います。