良医

どうも胃腸の具合がよくないところへ、区の無料胃癌内視鏡検査の通知が来たので、近くの消化器内科専門の医院で初めて受診することにしました。先週、腹部CTと腫瘍マーカー検査を受けてあったので、まずその結果説明、愛想のいい副院長でした。

70代まで無理を重ねながら働いてきた人間ならば、まっさらの解剖学モデルのような肉体を持ってはいません。写真や数値を見ながらあれこれ指摘される度に、それはこういう事情があって、という説明(口答え)をすることになります。初診だから医者の方も耳を傾けて聴くかと思ったのですが、面倒なことには関わりたくないらしい。

とりあえず下剤で排泄できているからいいじゃないかと言うので、それでは問題の解決にならない、下剤をかけて仕事に出かけるわけにはいかない、と口答えしたら、もう高齢だから消化器の問題は解決が難しい、と笑顔で仰言る。じつは、ボクはららら♪で暮らしたい、と言っているように見え、では様子を見て、と早々に辞去しました。

かかりつけ医を決めるようにと、この頃言われていますが、良医を見つけるのは至難の業です。今は、大きな病院は科が細分化され、かかる前におよその病因の見当がついていないと時間も体力もロスが大きく、病院側の態度も邪険になりがちです。腕も説明能力も、そして最期を診る覚悟もあって、緊急時に診て貰える医者を見つけておくことができるか、今や良医と出遭う(発見する)能力が患者側に要求されています。