軍記と語り物

軍記・語り物研究会に出ました。岩橋直樹さん「治承寿永の乱の中の墨俣合戦」の発表は、ちょうど新出長門切とも関係があるので聴きに行ったのですが、とてもよく勉強していることが分かる発表で、幸せな気分になって帰ってきました。墨俣合戦当時の甲斐源氏(武田氏と安田氏)の動向を、史料の中に丹念に追跡していました。

機関誌「軍記と語り物」53号も出ました。私にとっては末尾の研究展望や研究文献目録が重要に感じられる雑誌です。目録にごろごろ誤植や重複などミスが続出しているのが残念。誰かが、校正刷を通して素読みするだけで防げるのに・・・ほんとうに残念です。

この会はもともと、新人が集まって同人誌を出すことから始まった研究会です。この頃は大きな学会の模倣のような企画が並んで、同じ人ばかりが壇上に登る、ジャーナリスティックな指向になって、違和感を感じることが多くなりました。愚直に、会員同士対等に、向上をめざして議論したり助言したり示唆を得たりしたい。そこから新人が伸びていけばもっと嬉しい―だから研究発表を中心に、参加することにしています。