薔薇仕事

ベランダの鉢植えの薔薇が開き始めました。還暦になった年に従妹からお祝いに貰った鉢です。毎年5月に大輪の赤い花を、夏には小さな濃いピンクの花を、そして冬に入る前にも赤い花をつけます。専門家は冬の蕾は剪り落としてしまうようですが、薔薇を愛し、その棘の傷が原因で亡くなった詩人リルケの命日が12月29日なので、我が家では1年最後の花を「リルケの薔薇」と呼んで、大切にしています。

近所にはこの品種を蔓薔薇仕立てにして2階まで這わせている家が2軒あり、この時季にはそれとなく見物に出かけます。

5月の花はふっくらとした大輪なので、散る前に切り花にして仏壇に上げ、散った花びらをお盆に広げて陰干しし、ポプリを作ります。毎日咲いていくのでけっこう忙しい。梅の実の季節に家庭で干したり漬けたりすることを、梅仕事というそうですが、我が家のこれは「薔薇仕事」。ジャスミンの花やローズマリースペアミントランタナなどの葉を混ぜることもあり、ローズオイルを1.2滴垂らし、ジャムの空瓶に詰めて、私的な初対面の人には名刺代わりに差し上げています。