剣の名

「国語と国文学」3月号が出ました。昨年5月4日に亡くなった三角洋一さんの追悼記事が載っています。愛妻美冬さんの文章に心を打たれました。「ひとつひとつの作品と時代を丁寧に考察して、その間のつながりを明らかにしていくというのが」、彼による物語史の構想だったのではと述べています。三角さんはよき理解者を傍に得て幸せだったなと思うと共に、改めて、研究方法の上でもよき同志を喪った憾を深くしました。 合掌。

同誌には岩田芳子さんの「「朝野群載」所収「御剣名」考」という論文が出ていて、興味深く読みました。中世には剣の名や由来に関心が高まり、名剣を軸とする歴史記述(「剣巻」)も生まれますが、その源流は遠く広く遡れるのだということを考えさせられました。