2023-01-01から1年間の記事一覧

歳末突入

今夏は猛暑にめげて外出を控えたので、今頃になってあれこれ用足しに出歩く必要が続き、あっという間に暦が最後の1枚になりました。例年なら段階を踏んで寒くなっていくのに、三段跳びのように季節が移り、準備が間に合いません。あたふたしています。 2週…

引き返す勇気を

大阪万博まで500日だそうで、展示物の保障もないのに入場券が発売になりました。電子チケットということは、スマホかPCを持っていない者は不可ということなのかなあ、と、もともとそういう人混みに行ける自信がないので、ぼんやり考えてしまいました。し…

原道生さんの訃報

夕方、何気なしにネットを遊弋していて、原道生さんの訃報を見つけました。義太夫協会のHPに会長の死去が告示されています。11月23日、享年87。そう言えば今年は年賀状が返って来ず(例年、1ヶ月以上過ぎてからひょっこり頂くのですが)、もしかした…

川越便り・オーバーツーリズム篇

川越の友人から、22~24日に京都へ旧婚旅行に行ってきた、とメールが来ました。 小川治平作庭の庭 【宿は白河院、昔は何の変哲もない食堂でしたが、今回は畳の座敷にも関わらず、ほとんどのお膳のまわりには椅子が用意されていました。宿泊客の大半が私…

信濃便り・晩秋篇

長野の友人から、写メールが来ました。日曜日に城跡で行われた鷹狩りの実演を撮ったとのことです。 松代城の放鷹 松代藩ではかつて鷹狩りが行われていて、長野県立大学の二本松泰子さんがその歴史に詳しく、日本の放鷹術の復活と普及に尽力しています。鷹に…

ちゃんとちゃんとの

先週はエノキさんが休みだったので、掃除機をかけるだけでも、と久しぶりに自分で掃除をしました。始めるまでは億劫だったのですが、コードレスにしたので、やってみれば軽々と終わりました。重い本体と長いコードを引き摺っていた頃のことを考えると、夢の…

プロメーテウス

米国のオープンAI社の役員会のごたごた。何だか漫画の世界の話のようで、突然解任されたCEOが競争会社に移り、それに9割の従業員が同調するという署名を提出した、という報道には目を白黒させるしかありませんでした。解任され、忽ち復職したCEOが何だかか…

白飯に塩

昨夜、夕食後うつらうつらしながら、「秘密の県民ショー極」(NTV)というバラエティ番組を視ていたら、大阪人は洋食屋で出される平皿盛りの白飯に、何故か卓上の塩を振って食べる習慣がある、という話題を取り上げていました。 そう言えば、若い頃、一緒に食…

古活字探偵11

高木浩明さんの「古活字探偵事件帖11 誤脱の理由」(「日本古書通信」11月号)を読みました。本文の脱落の理由が推測できる例について書いています。 写本でもよくあるのは目移りー近い箇所に同じ文字や同じ語句がある時に起こりやすいミスですが、古活…

蛙化現象

若い世代の間で「蛙化現象」という語が流行していると知って、ネットで意味を調べてみましたが、わかったようでわからない説明ばかり、もともと心理学の用語には比喩的な造語が多くて、文学の側からはいま一つ違和感があるのですが、この語についても同じ。 …

薬不足

薬が足りない、という報道がよく理解できずにいたのですが、ここ数年、持薬のように服用しているアレルギー止めを出して貰う際にも従妹からそう言われ、今までよりも軽い作用の錠剤を処方されました(酒を呑み過ぎた時に効かないので、おかげで節酒するよう…

4年ぶりの墓参

父方の従妹夫妻の車で、富士霊園へ墓参に出かけました。コロナの間は遠出できなかったので、4年ぶりの墓参です。東名をひた走る車の後部で、私と6歳下の従妹とは、勝手にお喋りを続けました。父が亡くなった頃のこと、互いのその後の暮らし、従妹が今仕事…

今年の菊

水戸在住の教え子から、写メールが来ました。 水戸の菊花展 【近所の八幡宮にお参りに行ったら、菊花展をやっていました。七五三の晴れ着姿の親子連れも来ていて、11月であることを実感しております。】 そう、今年は夏から一気に冬になったような気候で、今…

赤間神宮所蔵古典籍解題

『海王宮ー壇之浦と平家物語』(三弥井書店 2005) 松尾葦江編 p3~43 赤間神宮所蔵古典籍解題 p15l2:<蔵書印>森川家図書印→<蔵書印>森川家図書記 p22l1,5:森川家図書印→森川家図書記 *今夏、赤間神宮で閲覧した塩村耕氏によれば、この蔵書印は…

今鏡の政治史

蔦尾和宏さんの論文「『今鏡』の政治史ー摂関政治から院政へー」(「国語と国文学」10月号)を読みました。文化史が中心で、政治的、歴史的な時代の変化には背を向けた(つまり、未だ旧時代の文化は大丈夫だ、大丈夫だと力説する姿勢を取り続ける)歴史物…

練り物

秋田県と四国4県の物産展が有楽町で開催された、との報道をTVで視ました。10月に秋田県知事(地元の殿様の家柄です)が四国の食品を侮蔑するような発言をして問題になり、謝罪し、四国側から提案された企画なのだそう。四国のじゃこ天は貧乏くさい、と秋…

コロナの街・part 47

区から指定された、7回目のコロナワクチン接種日。11時15分、区役所の25階会場です。コインバスの運行が間引きされたので、ちょうどいい時間の便がなく、25分前に着いてしまいました。高齢者枠ですが、見ると女性ばかり、男性は20分の1くらいで…

もう一方の性

判断も難しいし、表現も難しい、けどずっと、もやもやしていることを書いてみます。 先日、戸籍上の性別を変えるための性同一性障害特例法の要件項目に関する最高裁判決が出て、数日前、大手紙上にその解説が載り(朝日新聞朝刊11月11日)、それによれば…

山城便り・関越え篇

伏見に住む錦織勤さんから、カメラを買い換えたので、と写メールが来ました。 蝉丸神社碑と愛輪 【思い立って、琵琶湖を見に行ってきました。普通の自転車(ママチャリ)で、往復30km強ありますが、無事に帰ってきました。国道一号線を、蝉丸神社と逢坂関址…

國學院雑誌1398号

國學院雑誌10月号に、平藤幸さんによる『那須与一の謎を解く』(野中哲照著)の書評が載っています(本書についてはこのブログでも昨年紹介しました)。本誌は書評と紹介とを明確に区別していて、割り当てられる紙数が違うのですが、6頁2段組の分量を見…

水戸便り・県立歴史館篇

水戸在住の、38年前の教え子から写メールが来ました。先月、塩尻旅行でブログ更新を休んだ時心配してくれたので、「黄門さまのロングトレイル」という特集を載せていた北越新幹線の車内宣伝誌を送ったのです。県立歴史館へ行ってきた、とのこと。 茨城県立…

昭和1桁世代

喪中欠礼の葉書が届く季節になりました。知らないお名前だなと思って裏返すと、中村格さんの奥様からでした。この3月に亡くなられたとのこと。儀礼は一切辞退という意味の文言があり、一瞬、一周忌にはお花でも、と思いましたが諦めました。 2017年8月…

漢方薬

上代文学が専門の多田一臣さんのブログを久しぶりで覗いたら、集中治療室に入るほどの目に遭った経験を書いていました。口述筆記だそうです。kazuomitada.com 彼は続報に「漢方薬の怖さ」を書いているのですが、私も思い出したことがあるので書いてみます。…

怪我の功名

花鳥社の新事務所へ打ち合わせに行きました。来秋出す予定の本に、新資料の論考を急遽依頼することになったためです。神保町と水道橋の間、ビルの4階、未だ看板も出ていませんでしたが、ようやく荷物の開梱が終わって床が見えるようになったとのこと。神野…

あらせいとう

今朝はまるで「春の嵐」のような、じわっと生温かい朝でした。川越から、お節介だが、と断ってメールが来ていました。ストックは季節外れではない、南欧原産なので日本では一年草扱いだが、元来11月から5月までが花期、という。ウェブで調べてみると、な…

リリーフ

コキアが枯れ始めたので、刈り取って枝葉を落としました。紅色の茎が美しく、これだけでインテリアになります。鉢が空いたので、何か苗を、と大塚駅前まで出かけました。ついでに秋薔薇を観る心算でしたが、ぽつりぽつりとしか咲いていないので、真っ直ぐ商…

乳と蜜の流るる地

連日の戦地報道。ウクライナの場合と違って(現地で攻撃を受ける側では、実質的に違いはないでしょうが)、折鶴や夜間照明での意思表明どころではない。日々堪えられない思いで、我々は堪えているしかないのでしょうか。 あの地が難しいことは知っていました…

源平の人々に出会う旅 第82回「鎌倉周辺・保元平治の乱その後」

平治元年(1159)、源氏と平家の明暗を分ける平治の乱が起こりました。平重盛軍に敗れて逃走した源義朝は尾張国で討たれ、まだ13歳だった頼朝は囚われて伊豆国に流されてしまいます。 【光照寺(逗子市)】 この時、悪源太義平(義朝の長男)は逃げ延びてい…

志木便り・青春腫物篇

志木在住の神野藤昭夫さんから写メールが来ました。日々散歩を心がけ、毎週プールで500メートルを泳ぎ、毎日の炊事2食を担当し、地下の書斎(自慢の自動書庫がある)と3階の寝室を往復し、春には巴里に滞在、ちょくちょく上京・・・という超老後生活ら…

ハロウィーンの話

米国在住の安宅正子さんから、ハロウィーンについてのメールが来ました。 【こちらは昨夜がハロウィーンでした。私の家の前の通りはそれほど大きくないのに、なぜかハロウィーン銀座です。隣町からも来ているのかと思われる数の子供たちが現れます。6時から7…