配る

19年前の9月にアメリカで大事件があった時、当時人気のあった外務大臣に報道陣が追いすがり、何か救援を?と訊いたことがありました。外相は振り返り、元気よく、ええ、ヘルメットとかね、と答えた(彼女の父親は、1級建築士の資格を持つ政治家だった)ので、私は仰天しました。

こんなことを思い出したのは、総理のマスク2枚配布宣言(ネット上ではアベノマスクと呼ばれている)故です。我が家ではマスクが入手出来ないので、一瞬、よかった!という気になりそうでしたが、よく考えてみると、1世帯に2枚、布製、全国一律、財源は税金(466億円)だって???

もう我慢できない。3つ提言をします。第一に、COVID19の脅威が収まる状態をどうイメージしているのか、明言して欲しい(期限は1年後のつもりでしょうね、五輪の開催時期からして。可能かどうかはともかく)。第二に今、及び(短期間の)今後、必要な医療器機その他を緊急度と総量で示し、生産・配布を推進して欲しい。第三に今回の感染症対策の経緯や統計数値を正しく記録し、後世に伝えて欲しい。

素人の私の考えでは、症状緩和に有効な既存薬の処方ができるようになり、感染者の多数に免疫ができる(果たしてできるのかどうかも知らないのですが)時期が、とりあえずの目標でしょうか。それまではなるべく感染を広げないで、と呼びかけるべきで、むやみに、人類挙げての戦いなどという空しい言葉を使うべきでない。医療用のマスクは医療関係者に、それ以外は訪問介護士や福祉施設などに配るのが適切でしょう。

緊急事態宣言を求める人もいるようですが、現状以上に何が出来るのかが、はっきりしません。指導者が限界を明確に認識していないと、後日の弊害は大きくなるばかりです。