春の便り

近辺で店の改造が盛んです。経営者が高齢化して、もう譲る、やめる、という所もあり、新しいレジに替えて支払いを無人化するという店もあり、慌ただしいことです。何だか、通りがタピオカと餃子の看板ばかりになったね、と美容院で噂しました。

しかし季節は着実に進み、種付け花の白さが目立ち、沈丁花も香り始めました。和田珈琲店の主人が建てた隠居所(地下1階、地上4階の要塞のようなビルです)の入り口に、新しく植えられたのです。この花が咲くのは、国立大学の前期入試の頃、つまり3月上旬だったと思うのですが、今年は少し早いようです。

ここ1週間ばかり、昼夜の区別無く暮らしていたのですが、今日あたり、あちこちからメールや電話が飛び込んできています。東洋史の後輩(この春定年退職のはず)からは、最終講義がコロナウィルス流行のおかげで延期になった、とのメール。辞めたらきっぱり顔は出さない、という伝統が受け継がれてきたのですが、定年延長の世相につれ、しだいにそれも崩れていきそうだとのこと。中国語で書いた、紀要の論文が添付されていて、読めるわけないだろ!(よく見たら、読めなくていい、との添え書きがついていました)。相変わらずマイペースの人です。

仏蘭西から電話で、源平盛衰記の翻訳をしたいが、本文は公刊されていないのかとのお問い合わせ。私のせいではないけど、未完のまま何年も経っています。もう待てない、というべきでしょうね。薦田治子さんからは、箏曲地歌に150年遅れて平家語りが盲人から晴眼者の手に渡り、平家語りの伝承は新しい段階に入りました、とのメールが来ました。

新刊の本の送り状を書き、遅れ気味の校正刷りを確認し・・・足早な季節に遅れてはいられません。前へ出るぞ!