定年後の買い物

日本橋三越へ出かけました。濱田友緒作陶展が目的でしたが、生活方法が変わった故の、諸々必要な買い物もありました。杖を突くようになったので、肩に掛けるエコバッグを使っていたのですが、ちゃんとした、軽くて大きなバッグを、と鞄売り場へ行ってみました。ブランド品ばかりで、高い。一回り見て、あれがよかったかな、と最初に見た物の所へ戻ってみると、値札を1桁見間違えていたことに気づきました。立ち止まっていたら、店員がどうかなさいましたか、と訊く。買う客だとは見えなかったらしい。

友緒さんの新作は、前回よりもおとなしい、あかるい気がしました。いいなあ、と思うのはやはり大きくて重量感のある物。もう私が持ち続ける自信はありません。白地に益子独特の柄が入った蕎麦猪口を一つ、買いました。小鉢として使う所存です。焼いてみたら土の中に入っていた鉄分が、思いがけずしみになってしまった、というカップで紅茶を頂きながら、友緒さんと短いお話をしました。益子の紅葉は11月だそうです。

隣で小峠葛芳作陶展をやっていたので、入ってみました。島岡達三に師事し、京焼などいろいろな作風を試した人だそうで、交趾の飛鉋の水差や三嶋手の小鉢がいいなあと思いました。 

気になりながらなかなか手に入らなかった買い物を幾つか済ませ、地下の食料品売り場へ降りました。今夜は仲秋の名月。曇天でも日本酒向きの総菜を、と美濃吉で鱧の天麩羅とだし巻きを買いました。現役時代は何でもなかったのに、年金生活になると日本橋の価格は痛い。消費税が上がったら暮らせるのかどうか、未だ分かりません。つましく贅沢をして行きたいと思います。

第10回濱田友緒作陶展は日本橋三越本店6階美術特選画廊で、9月16日まで。