詐欺誤認

先々週のことです。午前10:30(詐欺電や勧誘電話のゴールデンタイム)、電話が鳴りました。いつもは留守電にしてあるのですが、ちょうど空調交換や本の編集で電話連絡の多い時だったので、うっかり出てしまいました。こちらが名乗ると、「◯◯のOでえす、覚えていらっしゃいますかあ、Oです」と、若い元気な男の声。語尾の上がる話し方、所属先をよく聞き取れない早口で言う、いやになれなれしい-詐欺電の条件が全部揃っています。「ご用件は?」、思わず声が尖りました。「覚えていませんかあ、Oですよ」とあくまであかるい。我が家に、こんな口調で電話を掛けてくる若い男はいない。「かけ違ってますよ」、ガチャン。

新手のオレオレ詐欺と思いましたが、数日経ってふと、詐欺はたいてい聞き慣れた苗字を名乗る(大谷とか、喜多川とか)のに、ちょっと珍しいOという苗字を名乗ったな、と考えて、はっと思い当たりました。

65歳になると区から毎年、「健康質問調査票」なるアンケートが送られてきます。「日用品の買い物をしているか」とか「階段を昇れるか」とか、中には「自分で電話番号を調べるか」との質問もあって、✕をつけたら(今どき電話番号は機械が覚えている)、認知症予備軍と判定され、若い男性のケアマネから電話がかかってきたので、質問のしかたがわるい、とがみがみ言ったことがありました。その後アンケートには答えないことにしたのですが、今年の用紙には「自分で電話番号を調べるか(電話機に登録されている番号を呼び出す場合も含む)」となっていたのです。あの時のケアマネか-認知症判定の質問項目は厚労省が決めたのだそうで、せめて( )書きをつけたのを言いたかったのかも。

わるかったねO君。でも、所属先はゆっくり名乗らないと、これからも誤認するよ。