選択

憲法改正を議論する党か、議論もしない党かを選ぶ選挙だ、と公言している党首がいます。今度の選挙は参議院定例の改選。そんなことが争点だと思っている選挙民はあまりいないでしょう。そもそも憲法改正が必要だと思っている人、殊にあの党首の提案する改正が必要だという人は、世論調査過半数を占めたことはありません。しかし、聞き捨てならない発言です。

政権交代では先が見えない、現状維持の方が未だ目に見えるだけまし、という投票が多くなりそうだとマスコミは報じています。見えないところで変化しつつある、しかもわるい方へ、暮らしにくい方へ、というのが現状なのに。この選挙、次の選挙と勝ち続ければ、その変化は勢いを増し、やがて停められない力でなだれを打っていくでしょう。

かの党首は、もしこの参院選で負けなければ、国民は憲法改正しろと言っている、と言い出すに違いありません。危ない-さりとて野党からは、新しい政治の具体像が殆ど何も提出されていない。夢物語の経済成長よりも、正規雇用の保障が先決です。

私たちにはそれぞれ1票しか選択肢がない。ならば喫緊の課題は、かの党首のもくろみを潰すことです。みんな投票に行きましょう、たとえ第1の選択肢がなくとも。第2,第3・・・N番目でもやむを得ません。

そして野党への注文-日常的に現場の声を聴いて歩きなさい。労組があてにならなくなったのだから、自分たちの方から足を運ばなければ、高額の政治資金や歳費を貰う身は、現実から遠ざかる一方です。殊に地方公務員や官庁の若手職員と話をして、政策のヒントを貰うべきだと思います。前回の野党政権最大の失敗は、自分たちの同志にすべき官僚を、仮想敵にしたことにある。