雨の丸の内

梅雨入りしたばかりだというのに、梅雨明け直前のような土砂降りの雨。風も出て来た夕方、丸の内のレトロな会館で、2度目の会議がありました。審議材料は多かったのですが、議長の手綱捌きのおかげでどうやら時間内に終わることができました。

応募書類を書く若い人たちへの苦言-先行研究を挙げるのに、研究者の苗字と発表年だけを羅列しても、読む方には何のことだか分かりません。人に見せる書類は、必ず相手の身になって読み返すこと。また、何らかの審査を受けるような書類を初めて書く場合、指導教員か信頼できる先輩に見て貰うのが賢明でしょう。教員や上級生は、当今、それも義務のひとつと考えるべきです。競争的資金を獲れることが、大学人必須の能力とされる時代になったからです。

会議には全国各地から様々な分野の大学教授・名誉教授がお見えになっていたので、審議の後、いろいろな話題が出ました。私からは、美術館や大学で活躍している若い人たちの近況と業績を御披露しました。

終了後、現役教授2人と、新丸ビルの上へ上がって、汽車の時間が来るまで麦酒を呑みながら雑談をしました。1人はこの春から副学長、1人は附属学校長経験者なので、現今の大学のありよう(特に人文系)が、いつからこうなったのか、今後どうなるのか、という話になりました。西洋史のゼミは英語でやっているとか、デザイン教育の素材は殆どPC内に保存しているとか、私は時代の進行を見せつけられる思いで聞きました。

吹き降りの雨の丸の内。ビルの窓ごとに灯りが滲んで見えます。月曜日はレストラン街も空いているそうで、マスターからまたどうぞと言われ、来年ね、と言って出ました。