ガクアジサイ

先週、通りすがりの家で気前よくガクアジサイを分けて貰った時、じつは内心、紫陽花は水揚げが難しい、貰っても手がかかるだけかも、と思ったのでした。しかしせっかくの機会だからと、大ぶりの花のついた枝を5本、提げて帰り、とりあえずバケツの水に投げ込み、あれこれ用事を済ませてから、備前の壺に活けました。大きな葉を10枚もむしったのですが、その生命力に惹かれて水洗いし、野菜庫に入れておきました。

ネットで調べようとしたら、漢字変換は「額紫陽花」と出る。萼紫陽花だとばかり思っていたのですが・・・外側にある装飾花はじつは萼で、内側の粒々が本物の花、両生花です。額縁に囲まれた花のようだから、と説明されていましたが、これは近年の園芸業界の説明なのかもしれません。

迅速な処理がよかったのか、そのまま萎れず、今日も卓上に存在感を示しています。曲がっていた花茎は一晩で上を向き、2日もすると中心の両生花がぷっ、ぷっ、と開き始め、葯が輪を広げました。外輪の装飾花も白から水色、赤紫と次第に色づいてきます。萼紫陽花は淋しい、と思っていましたが、なかなか豪華になりました。

剪ってくれた時に訊いたら、娘が中学の部活で活けた枝をちょっと挿したらついた、もう20年も経っているとのこと。なるほど、殆ど家を圧するほどの大きな株になっています。御礼に我が家の鉢の薔薇で作ったポプリを2瓶、そっと戸口に置いてきました。

葉の方は、たしか毒があったなあと調べると、直接食べなければ大丈夫らしい。箸置と江戸切子の赤い盃を載せてみました。冷やした酒は信濃の松牡丹。セロリの漬物や冷奴、ポテトサラダ、鰹など季節の肴を並べて、夜を楽しんでいます。