薔薇の日々

我が家の紅薔薇が咲き出しました。昨秋に大きな花を咲かせたので、今年はふつうの大きさの花が5輪。それでも朝、カーテンを引くと真紅の花がぱっと目に入り、挨拶されたような気分になります。

このところ足腰の衰えを自覚し、なるべく日に1回は外出することにしました。バスに乗り、終点の大塚駅へ。町内会が都電沿線に薔薇を咲かせているので有名になった街です。明日から薔薇祭(24日まで)だそうで、せっかくの景観が幟に邪魔されています。未だ咲いていない品種もありましたが、大輪は今がいい時季。ぼかしの美しいもの、複雑な色あいのもの、ハマナスのような一重咲き等々、こんなにもいろいろ種類があるのだと感心して、往復800mほどを歩きました。本格的なカメラで撮っている人もいましたし、スマホで写す老人もいました。

坂の途中に桜桃の木があって、小さいけれど朱い実が鈴なりにつき、珊瑚のネックレスの糸が切れたかのように、落ちた実が散らばっていました。

ときどき、誰かが折っては見たが折りきれず、ぶら下がった薔薇の枝が萎れているのを見かけました。このままでは枯死するだけ。例の癖が出て、人目を忍んでもぎ取り、持ち帰ることにしました(生の薔薇の茎は手では折れません!無謀な花泥棒は無駄)。

はやく水に浸けてやらなければと、帰宅が急がれます。神戸屋のパンを買い込み、お総菜も買って、そそくさとバスに乗り込みました。街のあちこちにも薔薇。今どきの言い方なら、「薔薇な日々」とでも言うのでしょうか。椎の木の花の独特の匂いも流れています。帰宅してまず、短く剪り、バケツの水に投げ込んでおいたら、3本とも生き返りました。花柄が黒く変色した小枝も、明日の朝、花首が上を向いていたら成功です。