追悼番組

皮膚科を開業している従妹の診療所へ、アレルギーの薬を貰いに出かけました。一里塚のある街です。黄昏の中、新緑の匂いがたちこめ、躑躅が咲き出し、カーディガンを羽織って歩くと汗ばむ陽気でした。

従妹は鳥取大学の医学部を出て、フリーランスの麻酔医と皮膚科開業医の掛け持ちをしています。親子2代の医者です。国際結婚しているので、1年の3分の1は英国に出かけ、休診にしているのですが、診療所は流行っているらしく、待合室の患者だけでなく電話予約がじゃんじゃん入っていました。GWは英国で、夫と庭いじりをするのだそうです。診察と私の健康相談の傍ら、一族の噂話や叔父の現況などの情報を慌ただしく交換しました。百歳を超えた叔父は、区と都知事からお祝いを貰ったそうですが、もう室内でも自力で歩くことは少なくなった、と聞いてちょっと驚きました。ついこないだまで、憎まれ口を叩いていたのに。

処方箋を貰って、地下鉄に乗り、農学部前の中華料理屋でテイクアウトを注文しました。できあがるのを待っている内に、新歓コンパで2階へ上がっていく者、研究室から連れ立って来る者、下宿先から独りでやってきた者・・・東大生らしい学生たちで店は一杯になりました。私にもこういう時期があったなあ、と思いながら急いで帰宅しました。今夜は、モンキーパンチの追悼番組を視ると決めているので。