税務署へ確定申告に出かけました。今年は（収入が少なく）単純なのですが、例年、手書きの申告書の検算をして貰ってから、提出することにしているのです。もう４０年来の習慣です。自分にとっては抽象的な数字ばかりですから、途中で数字を間違えると最後まで分からないし、控除の計算などを通して、国と個人との関係がよく分かる。
最近は受付の手前で、相談内容によって入り口を振り分けるのですが、老人が多くなって、自分の相談内容を説明するのに手間取る人が多く、まずそこで行列ができます。私は検算して貰う、と言って振り分けられた列に並んだのですが、約４０分立ちん坊でした。相談の番が来ても、記入台も立ったまま。納税は体力勝負です。
やっと順番が来たので、いつものように「検算をお願いします」と言ったところ、PC入力をしないと検算しないと言う。キレル寸前までいきました。２日近くかけて申告書を作った手間はどうなる！やり直せばミスの率は上がるし、検算よりも時間がかかるに決まっている。税務署会場で検算はしないのなら、通知書にそう書いておくべきで、何のためにここに並んだんだ！「毎年やって貰ってるよ、電卓なら持参してます」（目の前に備品の電卓が置いてあるのですが）と言って、さらに「私は紙ベースで申告する」と断言したところ、ようやく検算を始め、５分もかからずに済みました。
納税者の事情に拘わらず一律に、eー申告に誘導したがっているのです。狭い会場で相談者がひしめき合っているのに、PCとスマホ申告のカウンターはがらがらでした。eー申告するくらいなら、自宅でやっています。税務署まで来はしません。
受領印を貰って歩き出すと、急いでいた行きには気づかなかった沈丁花の香りが、街に漂っていました。
