衝撃の大晦日

例年通りのつもりで年越し蕎麦を食べに出かけたら、蕎麦屋はラーメン屋に改造中でした。学生時代から50年来行きつけだった蕎麦屋です。呆然としました。今年は年越し蕎麦は抜きか、と思いましたが、ちょっと脚を伸ばして、大通りのゆで太郎(この店もいつの間にかチェーン店になっていた)へ入りました。

店先でテイクアウトも売っています。次々売れているようです。カウンターはアジア系外国人でした。行きつけの店の天麩羅蕎麦に比べて柚子も三つ葉もなく漬物も付いて来ず、格子戸に活けてあった小さな花もありませんが、野菜の天麩羅が数種ついて約半額。なるほど、と思いました。年越し蕎麦を食べて店を出る時は、「よいお年を!」と言って出たいが外国人に通じるかしら、と不安になりましたが、言ってみたら意味は解ったようです。寒空にパック詰めの蕎麦を売っていたのが店主のようでした。

老舗の花屋は土曜日で店仕舞いしたらしい。殆ど官庁並みです。2軒の花屋を回って買ったので、結構な値段になりました。肉屋で予約した肉を買うついでに訊いたら、蕎麦屋は春木町へ移ったとのこと。本郷通りは地価が高いので借地料がしだいに高騰し、シャッター商店街になりつつあるのです。

正月用の食器を洗って、掃除をし終わったら、第九が流れ始めました。豚の赤ワイン煮とお屠蘇を作り、残りのワインを呑みながら、来年の仕事の皮切りは何にするかな、と考えました。1年後の年越し蕎麦は、どこで食べることになるやら。