立ち読み

歯医者へ定期の口腔ケアに出かけました。口の辛い歯科衛生士から、右下奥の1本を除けばよく磨けている、歯茎もきれいになった、と褒められました(ここまでに4年半かかった)。支払いの段階になって、高額請求に一瞬耳を疑いました(後期高齢者保険なので3割負担になったのです)。両者に因果関係はないと信じていますが・・・

近くの本屋へ寄って、クリスマスカードと来年の手帳と、暦を買いました。世界遺産の富士山(山麓に我が家の墓がある)の暦は入手できましたが、肝心の机の脇に掛ける暦(仕事の日程管理用)が見つかりません。絵柄は犬と猫と占いばっかり。例年、海か、雲か、花の写真つきを買うのですが諦め、本を物色して文芸、社会、歴史などのコーナーで立ち読みしました。

片岡義男のエッセイを探したのですが、なし。自然科学や死生学・老年学の本に眼が止まりましたが、当分読む時間はなさそうなので断念。「作家と共に楽しむ古典」なるキャッチフレーズに惹かれて立ち読みした本には仰天し、青ざめました。書店とタイアップした販売会で、作家が群衆を前に、平家物語は琵琶法師の語りが本来で、眼で読むようになったのは徳川幕府以降、などと言っている。なんて莫迦なことを、と思わず呟いてしまいました。

日の暮れるのが早くなり、外はもう真っ暗でした。嗚呼、老後の平安は遠い、と、とぼとぼ帰りました。