21トリソミー

長野に住む友人から、信濃毎日新聞の切り抜きを送って来ました。スマホで音楽を聴きながら嬉しそうに談笑する母子の写真が、大きく載っています。見ているこちらも釣り込まれて笑顔になるような、幸福な母子像です。

友人にとっては、姪とその長男(5歳)に当たりますが、生まれて2日目に、ダウン症(21トリソミー)だと告知され、一時は一家を挙げて心配したとのこと。殊に母親は、普通には生きていけない子なら、母親が責任を取って冥界へ返すべきか、と思い詰めたこともある、とインタビューに答えていますが、生後数ヶ月のある日、夫が息子を抱き上げながら、「男の子って(上の長女とは)また違った可愛さがあるなあ」と言った時、ダウン症かどうかよりも、1人の可愛い赤ちゃん、という目で見ることが出来るようになったのだそうです。

長女出産後と同様に職場復帰しようと、住んでいる市に保育園入園を相談したら、ダウン症児を3歳未満で保育園に入れた例はない、と言われ、行く手が塞がったような気がしたそうですが、諦めず再度相談したところ、児童発達支援事業所を併設した私立保育園を紹介され、育休と有休を使って1歳7ヶ月の春まで待って入園、今は仕事と育児の忙しさに追われて、普段は彼に障害があるのを忘れている、と語っています。

ダウン症は、本来1対のはずの21番染色体が3本ある疾患で、800~1000人に1人の確率でごく普通に生まれます。合併症があるなど、個人差が大きいのですが、中には特殊な才能を持つ子もおり、現代では普通の生活をすることが可能です。

このブログに書いてもいいか、と尋ねたところ、母親から以下のようなメッセージが届きました。【この子たちが少しでも生きやすい世の中になるように、私たち親の言葉がどこかに届いて、1人でも多くの人に考えてもらい、状況が変わることもあればと思っています。そして、誰かの励みになることを願っています。】