万年竹

台風に蹂躙された植木たちも、徐々に元気を取り戻してきました。近所の老舗の花屋が、代替わりしてからすっかり零落し、法人相手の盛花や植え込みの売れ残りを個人客に押しつけようとするので、最近は切り花を買いません。トイレや洗面台の花は、植木の手入れをした時に摘んだ小枝や、咲き残りの一輪で間に合わせています。香水瓶など小さな花器に活けたりすると、それなりに楽しめます。

今は、台風に押し倒された鶏頭と、万年竹の切り戻しを活けてあります。定年祝いに頂いた花束に入っていた万年竹(ミリオン・バンブー)が発根したので、3本を鉢植えにしたのですが、今夏の暑さが気に入ったらしく、つぎつぎ新芽を出して、8株にもなってしまいました。冬は室内に入れねばならないので、あまり鉢数を増やしたくない。知人に株分けを貰ってくれるよう、頼みました。引き抜いてみると、根は鮮やかなオレンジ色で、まるで朝鮮人参のようです。いかにも精の強そうな感じですが、白い斑入りの葉とは似合わず、元来、異国の植物なんだなあと思いました。

鶏頭を抜いた後には、待たせていたムスカリの球根を植えました。小菊は、白、黄、小豆色の品種には蕾が出ましたが、臙脂色と黄色の糸菊はいつかなくなり、赤い豆菊は伸びません。去年不作だったので、今年は、小春日和に小蜂の羽音を聞く平安を、切望しているのですが。