閲覧室

久しぶりに大学図書館へ行きました。渋谷駅はいつ終わるとも知れぬ大工事が続き、通路が分からず、バス停まで駅の周囲を1回り半歩きました。図書館棟の空きスペースは学生の居場所として開放され、椅子と机がたくさん置いてありましたが、座席でぐったり寝ている男子学生が多い。まったく無防備、というか、まるまる寝姿をさらしている(居眠りではなく、自宅のベッド上の状態)のにはぎょっとしましたが、もう私は注意しなくてもいい、見ない見えない、と念じて通り過ぎました。

必要があって、平将門の乱承久の乱南北朝の内乱の勉強を始めています。暗くなるまで、日本史関係書の多い閲覧室で、山のような単行本を走り読みしました。予め持って行ったカードの3分の1しか片づきませんでしたが、開架式なので、あちこちで予定にない本も引き抜いて読み、ダイナミックな建武新政見直し論や、『将門記』に関する新資料の報告などを堪能しました。それにしても日本史は、出版物が多い。ファンが多いのでしょうね。

杖を突いているので、行き帰りの電車や食堂で、何人もの女性たちから心遣いを受けました。遠慮しないことにしました。もう何も責務はないから、1人の人間としての慎みだけ守っていればよい。気が楽になりました。静かな閲覧室で、つぎつぎ顕れる新知識に出会った、至福の1日でした。