酷暑

連日の酷暑に参っています。週間天気予報を眺めて、10日も我慢すれば楽になるかと期待しても、馬の鼻先の人参のように、先へ先へと延びるだけ。花屋の主人は、舗装の上では膝下の気温が50度になる、と言っていました。美女桜も夕霧草も駄目になり、元気なのは日々草だけです。植え替えました。

近所の肉屋に名物のコロッケ(昔ながらのタイプ。いい油を使っているので美味しい)があるのですが、油の温度が上がりすぎて次々パンクしてしまい、売り物にならない、と女将がこぼしていました。

さきの大戦で、父は武漢に出征していました。彼地の暑さは格別だそうで、「屋根瓦が灼けて止まった雀が落ち、それを咥えた猫が火傷する、という時節の挨拶があるんだ」と言っていました。調べてみると、落雀の候、または烙雀の候という語があるのは分かりましたが、焦猫の候とか、灼猫の候という語は見つかりませんでした。

明日は河童忌。昭和前期の暑さはせいぜい31,2度でしたが、体温より気温の高い日が続くとなると、大半の日本人にとっては風土が変わったと考えるしかない。気象庁は一種の災害時だと言っているようです。夏休みは文字通り休むべきでしょう。

あたりの熱のあるものが、みなうとましい。朝、薬缶の湯を沸かすのにも気合いが要ります。机上のPCの熱も御免。それゆえ、本日はこれにて擱筆