暑気払い

連日の酷暑に音を上げて、暑気払いの会をやることにしました。ベジタリアンの人に合わせて、駒込の野菜料理専門店を予約したのですが、肝心の幹事が来ません。どうやら、定年後半年で早くも日にちの感覚を失くしたらしい。

まずは前菜盛り合わせに生ビールで、お喋りを始めました。切り干し大根のサラダ、きのこのマリネ、冷や奴に柚子胡椒を添えたものなどが前菜です。柚子胡椒はこの頃流行し、市販品はかなりおとなしめのものになっていますが、もともと博多では、青唐辛子と柚子の皮を微塵に刻み、塩をまぶして発酵させた、家ごとに味の違う調味料で、辛さときつい匂いとで初めて口に入れると跳び上がるほどのものです。御飯にかけて食べたい、と知人が言うので、いろいろ比べてから買った方がいい、と忠告しました。この店の柚子胡椒もアジア系で、出身者に言わせると博多のものではない。

1時間ほどして幹事がやって来ました。よもやまのお喋りは、翻訳のこと、女子が職業を選ぶということ、男の気づかない男尊女卑の例、青春18切符のこと、庭木の手入れのこと・・・尽きません。

色々な料理を注文しましたが、写真がなくてゴメンナサイ。どうも私と同座すると誰もが、料理を前にするや否や、まず箸を取って確認作業に突進し、撮影を忘れるのです。大豆が原料の鶏唐揚もどきとか、ズッキーニの竜田揚げとかレタスの炒飯とか、バナナのアイスクリームとか、結構満腹になりました。

終バスで帰りました。我が家の近くまで来たら、初老の男性と少女とが、訳ありげにブランコに乗っていました。どうやら身の上話を聞いているらしい。この時間、街は、いつもと違う顔をしているようでした。