ゲ抜き

我が家のスパティフィラムが2輪、花首を伸ばしてきました。この花の名前がなかなか覚えられません。和名は笹団扇だそうで、これはまたあまりに直接的でつまらないし、やむなく「麵会議のゲ抜き」、と覚えることにしました。794平安、と同じ記憶法です。原義が分からない外来語は、こうでもしないと覚えられない。

本来、濃い緑の葉に白い仏炎苞がよく映えて、初夏の木陰や室内に相応しい花なのですが、今年は葉が黄緑のままで濃緑色にならず、花が冴えません。花屋の説明では、半日陰向き、日が全く当たらないのも駄目、あまり日に当てると仏炎苞まで青くなっちゃう、とのことだったので、最低気温が10度以上になってからは、ベランダで日に当てました。でも緑は濃くなりません。例年、冬は東向きの寝室に置いておいたのに、今年は南向きの居間に置いたのがいけなかったらしい。日に当てすぎたのです。

苗を買ってきた年の冬、葉ばかり茂るので、ざくざく剪って正月の卓上の花の付け合わせにしたところ、春になって頭のちょん切れた蕾が出て来て、吃驚。花は新しい葉鞘から出てくることを知らなかったのです。3ヶ月間反省させられました。

栽培は簡単、と園芸書にはありますが、今年も黄ばんだ葉の間に咲く花を見ながら、物言わぬ者たちへの心配りが足りなかったことを反省しています。生き物にはそれぞれに生きる流儀があるので、やみくもに育てると思わぬ抗議に出会う。

この花の欠点は、満開になると強烈な加齢臭に似た臭いを出すこと。私は熱帯の昆虫ではないので、この臭いには誘惑されないのですけど。