応募書類

このところ、申請書類や応募書類を見る機会が続きました。何とも理解出来ないのは、引用文献名の注記方法など、独善的な記載が多いことです。企画や趣旨を説明する大事な文章を、過去のものから抜粋してそのままコピペしたのでしょうか。

例えば、「大谷2017」とか「遠藤1945」といった記載だけでは、誰の、何という論文・著書を指すのか分かりません。恐らく、抜粋したもとの文章では、末尾に参考文献一覧をつけてあったのでしょうが、書類の方はそれだけで独立したものなので、読む側は如何ともし難い。特異な姓の有名人ならともかく、よくある姓だったり、年間大量の論文を出している人だったりすれば、注記自体が無効ですし、第一、選考や審査に当たる相手は、仲間内の同じ専門の人間とは限らないのです。

博士課程の院生や現職教員が作成した書類の3分の1以上に、こういう無神経な記述が見つかります。うんざりします。相手がある、他人に読んで貰う、そのための書類だということに無自覚だからです。私がいつも言い続けてきたことは、仕事には必ず相手がある、相手の目から見てどうなのか検算して初めて、仕事は上がったと思え、ということでした―相手に理解できない書類なんか作るの、やめようじゃないか。