平家語りのシンポジウム

6月10日のシンポジウム「<平家語り>の展開と継承」(本ブログお知らせ欄参照)の打ち合わせ会に出かけました。果たして話は噛み合うだろうか?不安に駆られながら、八重桜満開の田町駅前のビルに入りました。街はあかるく賑わっています。

講師の1人鈴木孝庸さんは、さっきまで横浜で平家を語ってきたばかりで、お腹が空いていたらしく、レジュメを配り終えて司会が口を開くやいなや、いきなりサンドイッチの袋を開けようとするので、学生なら出て行かせるところだ、と叱りました。いつもながら、マイペースの人です。

最初に辻浩和さんから、院政期及び鎌倉初期の盲僧について、新資料や最新研究をも含めて報告されました。『看聞日記』の読み直しを試みる鈴木さんは、断片的な情報を拾いながら、演奏や楽器についての自分の関心を活かそうとしているようです。平家語りの保存継承に奮闘している薦田治子さんは、音楽から見た近代の平家語りの変容を厳しく批評し、司会役を呆然とさせましたが、当日はもっと具体的に、分かりやすく、変容の何が問題なのかを説明して貰うことにしました。

さて―どうなるでしょうか。無理にまとめ上げず、今後の研究の突破口を作っておきたい、と考えているのですが。