膏薬

今年の冬は一際寒い、というのがどこの店へ入っても挨拶代わりになりました。例年、手袋なんかしたことは殆どなかったのに、今年ははめずに外出するとたちまち指の関節にひびができて、痛い。ハンドクリームを塗ってもなかなか治りません。

子供の頃、祖母は、毎晩家事が終わると、黒い塊を火鉢の灰の中で焼いて、手のひびに埋め込んでいました。じゅっと湯気が上がって、見るからに痛そうでしたが、これが治療法だと言っていました。何かの膏薬だったのでしょうか。

今年はほんとに寒い。山形や福井の積雪は、TVニュースで視るだけでも重そうです。鳥取在勤時代のことですが、新潟県出身で着任3年目の書道の教員(普段は用心深い話し方をする人でした)が、酒の席で「鳥取は除雪対策が遅れとる。新潟は街路に注水管が敷設されていて、1日中消雪される」と気炎を上げたことがありました。みんな黙って聞いていましたが、翌日、学生の1人が私の研究室へやって来て、「鳥取は降っても80cm。一晩で何mも降る新潟とは違う!」とコメントして帰りました。