お濠の氷

記録的な大寒波到来なのだそうで、我が家ではベランダのジュリアンの花が凍ります。花弁の厚い種類やビオラは平気なのですが、薄いひらひらした花をつける種類は、朝から萎れ、立ち直るのにほぼ一日かかります。今年は8株も植えてしまったので、室内へ入れることもできず、謝りながら見守っています。

ニュース画面に、日比谷公園の池が昼でも凍ったままなのが映りました。昭和20年代、両親に連れられて皇居前と上野動物園に行った記憶があります。昼間でしたがお濠は固く凍っていました。小石を投げると(今なら即皇宮警察に捕まります)、渦巻のように円を描いて滑っていきました。死んだ魚の眼のようだと思ったことを、覚えています(当時は煮魚は目玉も食べたので、見慣れていたのです)。その後入ったお汁粉屋でやっと暖まりました。

弟が生まれてから、上京した祖母も一緒に東京見物をした時は、お濠端は一面の蒲公英で黄金色に輝くようでした。その後十数年経って、国会図書館へ通うようになり、皇居前が松と芝生できっちり整えられていたのに吃驚しました。血のメーデーなどがあったので、広場でなく公苑に整備したのでしょう。通りには桜並木も作られて、ジョギングの名所になりました。