国際人

午後からワイジャンティ・セリンジャーさんが新年の挨拶にみえました。印度人ですが日本中世文学、特に源平盛衰記の研究をしているアメリカの大学の准教授です。目下、政治学が専門のご主人と小学生の子供2人と共に、早稲田大学に游学中。年末年始は日光、沖縄、奈良・京都へ一家で出かけたそうで、そのお土産話や、家族のこと、今後の研究計画等々、いろいろな話をしました。

彼女はベジタリアンなので、お雑煮をご馳走するのはやめましたが、お屠蘇はスパイシーで気に入ったらしい。買っておいた七草セットを説明して、プレゼントしました。子供たちが学校給食を好きになったので、それを参考に日本味の料理を覚えようとしているそうです。

日光では陽明門の前で、子供たちに題材となっている中国説話を説明したところ40分もかかったとか。再現された平城京では、遺跡から現実の建物を復元する過程を子供たちが面白がったらしい。小学3年生の弟の方は日本の学校にすぐ慣れて級友たちと楽しくやっているが、6年生の姉の方は日本語の読み書きや級友との会話に苦労しているとのことでしたが、両親ともこれくらいの苦労は子供にとって必要だ、という方針で一致しているそうで、国際人の親を持つとたいへんなんだなあ、と思ったりしました。

日米の大学人の間での、研究業績評価や報酬に関する感覚の微妙な相違、アメリカ大統領選の代議員数とかつての奴隷制とは相関関係があること、安全保障と平和の問題、カズオ・イシグロの評価、日本の戦争文学のこと、『Being Mortal』を書いたガワンデのこと、教養教育の必要性・・・暗くなったので、近所のスーパーへ一緒に行き、日本野菜のあれこれの食べ方を説明して、別れました。