シクラメンの取説

ポインセチアシクラメンが店頭に並ぶようになりました。ここ10年ほどいつも年末にシクラメンを贈って下さる方があり、我が家は翌年も咲かせるので年々鉢が増えていたのですが、その方も昨年亡くなりました。シクラメンには毎年流行があり、様々な色や花形があります。花弁の縁にフリルがついたものや、花弁が立たずに開いたものなど。今年の流行は何でしょうか。

30代に勤めていた農業専門の都立高校では、鉢植の品評会や頒布会がありました。いいシクラメンは葉がびっしり詰まり、花茎が真っ直ぐに揃って、葉陰に小さな蕾がたくさんついているもの。出荷が近くなると、葉組みと言って、あちこちへ伸びている花茎を株芯に寄せ、葉茎で囲むようにおさえるのです。もともと地中海に臨む崖に自生していたのだそうで、冬は日照、夏は風通しが必要ですが、開発早々の新品種でない限り、夏に気をつければ毎年咲きます。冬の風に当てると萎れてしまうので、要注意。

大晦日に近所の花屋の店先で風に萎れた大鉢を見つけ、¥1000に値切りました。店員に教わって、濡れた新聞紙で丸ごと包み、一晩置いたら綺麗に蘇り、嬉しい元旦になったことがあります。この花の別名は「かがり花」(花の形がかがり火に似ているから)、また「豚の饅頭」(球根の形が饅頭に似ており、野生種の葉は豚の好物だそうです)とも。