シートベルト

タクシーに乗ってつらいのは、左斜めに掛けるシートベルトです。まず差し込み口が座席の中に埋もれていてなかなか見つからず、見つかっても、体をねじりながらでは差し込みにくい。体格のいい男性ならちょうど良いのかも知れませんが、座高の低い私はちょうど首のあたりにベルトが掛かり、苦しいので片手で引っ張り続けていなければなりません。いざ衝撃が来たら首を絞められることになるのではないかと怯えています。設計時も完成検査の時にも、体格の異なる客が使うものであることを想定していない、と思います。

どうして、中央座席だけでなく全部を飛行機のシートベルトのように出来ないのでしょうか。自動車メーカーでは、誰もそんなことを考えつかないのでしょうか。これほど技術革新が進んでいるのに・・・

使用者の使い勝手は勿論ですが、製品が使われる場の周囲のことを想像する能力も、技術者には必要でしょう。近所で道路工事があると、甲高い電子音を鳴らし続けながら作動する地均し機に悩まされます。「サハラ砂漠の中で工事してるんじゃないだろ!」と怒鳴り込んでも、工事関係者は「この機械は騒音の少ない型です」と答えるだけ。こういう機械は住宅街の中で使う場合が多い、ということを設計者は考えたことがないのでしょうか。