印度の壺

暑くなってきました。真夏にはベランダの照り返しで半身だけ日焼けします(机がベランダ側にあるので)。連日の暑さで夜になってもコンクリートが冷えなくなると、つらい。かつてインドへ行った時、素焼の壺に水を入れて売り歩く人がいました。素焼の肌から浸み出す水が蒸発するため常温よりは冷たい水です。壺の造形がなかなかいいので、船便で4個持って帰りました。永いこと親の家に置いてありましたが、2個は東北大地震で割れてしまいました。

ふと思いついて、夏にはこれでベランダを冷やせないかと実験を始めました。毎朝、風呂の残り湯や果物を洗った水を入れて放っておくと、壺の肌がずっと湿っていて、触ると冷たい。ベランダ全体を冷やすのは無理でも、見た目だけでも涼を呼んでくれるのではと考えたのです。

しかし素焼とはいえ、持ち上げてみてその重さに吃驚しました。インドの女性たちはこれを頭に載せて平然と運んでいますが・・・慣れでしょうか。

民芸好きの私たちは、壺のかたちとその生活感に惹かれたのですが、一緒にいた茶道の宗匠は、「砕いて陶土に混ぜて焼いたら、いい茶碗になりそう」と言ったので、愕然とした覚えがあります。茶器ではよくやることなのでしょうが。