山椒と梅干

近所の公園で山椒の木を見つけ、小指ほどの枝を失敬しました。葉をこすると得も言われぬ芳香にうっとりさせられます。粉山椒は鰻には欠かせませんが、あの乾いた香りとは違って、もっと甘く艶めかしく、ねっとりした芳香です。食卓に飾るだけでは満足できず、思いついて葉を細かく刻み、甘めの梅干の果肉に混ぜて練り梅にしてみました。辰砂の派手な盃に盛りつけて、日本酒の友に・・・

ところがもうこの時季の葉山椒では葉が硬くなっていて、梅肉にうまくなじみません。来年はもっと早い季節、「木の芽」と呼ばれる頃にやってみようと思いました。これだけでも十分肴になりますが、例えば釜揚げしらすをひとつまみ添えて、少しずつ和えながらちびちびと、などはいけそうです。勿論、胡瓜や蒲鉾にも合うでしょう。

葉をむしって先端の芽だけになった小枝は挿し木にしました。来年も酒が呑める健康状態を保持できていますようにー駅前の薬師堂にお願いしておこうと思います。