気になる語

若い世代の提出書類を読んでいて、気になる言葉があります。ひもとくーどういう意味で使いたいのか?やたらに目立つのです。辞書を引くと、蕾がほころぶ、とか、子供用の着物から大人の帯を締めるようになる、等々の意味も出て来ますが、元来は書物を開いて参照する、という意味でしょう。語感としては、ゆっくり読む、頁をめくる、調べる、といったニュアンスを持っていると思います。ワープロ機能の漢字変換では「紐解く」と出てしまいますが、れっきとした「繙く」という字もあります。

何となくかっこよさそうだから一段難しい語句を使う、という見栄はあぶないと思います。「かんがみる」という語も同様に、微妙にずれて使われる例が多い。「かえりみる」と混同しているのでは、と疑うときもあります。

中年以上の人でも「お申し越し」という語句を尊敬語として使っている例によく出くわします。ある集団で、「お手数ながら」と言うべき場合に、しきりに「御足労をおかけして」と恐縮されるので、困惑し続けた経験がありました。私自身も何かとんでもない誤用をやらかしているかもしれないのですが、気になる語の誤用を、上手に教えてあげる術があるといいなと思います。