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さらば青春

高校生から大学生時代に弾いていたギターを売りました。クラシックギターの先生に、一生使える物をと見立てて貰った1本です(当時の大学出初任給の、3分の1くらいの値でした)。54年前の製作者の名前も入っていたのですが、買い取り業者からは、ばらして部品を取るだけと言われて悲しくなり、一瞬ためらいました。しかし、練習をし直してこれを弾く生活は、もうできそうにありません(ツンドクの山だけでも半世紀分はある)。あの当時は指頭に縫針を突き立てても刺さらないくらい練習し、「禁じられた遊び」のテーマや「入り江のざわめき」なども弾きました。低音絃のやわらかく跳ね返る感触が思い出されてきます。

これで親の家の整理はほぼ終わりました。私自身の20代までの蔵書や趣味の品も一緒に処分したので、何だか虚ろな疲労感が溜まり、つまらぬ怪我をしたり失くし物をしたりしています。断捨離は精神的にも負担が大きい。

空っぽになった実家から戻ってくると我が家は紙の山。今後何年かかってこれを快適空間に変えることができるか、あまり時間は残っていない、などとさらに悲観的になってしまいます。

街は五月祭でうきうきと賑わう一日でした。買取契約書には「ギター(アンティーク)1本 ¥1000」と記されていました。