いま欲しい平家物語論とは

「リポート笠間」62号ができあがり、まもなく発送されます。国文学関係の学会会場でも配布されますが、はやく読みたい方は直接笠間書院へご注文下さい。

特集1は「いま全力で取り組むべきことは何か」、特集2は「デジタル化で未来をどう創るか」ですが、どちらにも共通するのは、いかに国文学研究や資料探索の情報をひろく公開していくかという視点です。

巻頭に松尾葦江「いま欲しい平家物語論とはー自身への問いを携帯すること」を置いてありますが、我ながらアナログな筆致で肩身が狭い。しかし本意はまさしく「いま取り組むべきこと」を、言挙げした所存です。関連する文章を、この秋、単行本と雑誌とにそれぞれ出しますので、併せて御一見下さい。

ちょうど和泉書院の「いずみ通信」43号も出ました。両誌を見ていると、水準も高く有益(そう)な国文学関係の新刊がぎっしり並び、各地に研究会や学会誌があって、国文学が斜陽産業だとはとうてい思えないのですが・・・

何が足りないのか、殊に発信の宛先や範囲について、関係する者たちそれぞれの持ち場に戻って考える必要があるのかも知れません。