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春霞

東京の春は午後から曇る、という書き出しで作文を書いてひどい点を貰ったことがあります。高校時代、英語の教科書で教わった「意識の流れ」という手法を試みた心算だったのですが、国語教師からは趣旨不明瞭な文章との批評を頂戴しました。今でもこの季節には、あの一文を思い出します。

朝は晴れていたのにいつの間にか薄曇りのような空になるのが、この季節特有の天候ではないでしょうか。晴天なら朝から夜まで雲一つ無い青空、という日々が3ヶ月続いた東京で、そろそろ春の訪れを感じる兆候の一つです。鳥取に勤めていた頃、春休みに入って帰京する際に羽田まで本土を縦断すると、霞の中から日本アルプスの山頂が頭を覗かせ、水墨画そっくりでした。飛行機もない時代にどうしてこの景色を想い描くことが出来たのだろう、と不思議な気持ちになりました。和歌の世界でしきりに春霞が詠まれる理由が、納得できる気がします。

最近の天気予報では、花粉が飛んでいると説明するようですが・・・