金平糖

そろそろ雛飾りの用意をする時期になりました。手狭の我が家では大内塗の親王雛だけを飾り、定番の桃の花のほかにロゼワインの小瓶(白酒の代わり)、金平糖(雛あられの代わり)を並べます。ギリシャ土産の蛤1対(紫の染料を採る貝だそうです)はオプション。

昔、年上の従姉たちの豪華な雛飾りがあって、とても羨ましかったのです。ミニチュアの重箱の蓋を開けてみて叱られました。今では病院や老人ホームの入り口に、大きな段飾りが出してあるのを見かけます。

雛祭のシンボルカラー白・緑・薄紅は、雪が解け、草が萌え、花が咲く、春の到来を意味すると教えられました。新古今集の美意識が庶民化したようなものでしょうか。老舗の金平糖は角が出るまで3日3晩炒り続けるということ、職人は、炒り具合を混ぜる時の音で聴き分けるということを、最近TV番組で知りました。子供の菓子だと莫迦にしていたことを反省した次第です。