ボランティア

能登大地震支援ボランティアの受け入れが始まりました。体力のない私は、自分の仕事の合間に被災地へ手伝いに行こうという人たちに、驚嘆の念を禁じ得ません。どうか怪我をしないように、疲れが溜まりませんように。 マスコミは受け入れが遅いと言わんばかり…

翁の世界

東大中世文学研究会第351回にオンラインで参加しました。4年ぶりの新年会だそうで、発表は松岡心平さんの「翁の発生ー歴史的にー」、ハイブリッド方式なので、オンライン参加は16名でしたが、会場は盛会だったようです。 予め配信されたレジュメは手書…

老年医学

寒風の中、区の健診を受けるためかかりつけ医に出かけました。開成高校出身の胃腸専門医です。ちょっとでも基準値を超えているとしつこく服薬を勧めるので、5日間断酒して準備しました。ところが3日目に腹痛、軽い下痢・・・酒なしだとどうしても食べる速…

父祖の地

福岡の藤立紘輝さんから寒中見舞の葉書が来ました。年末にこのブログで、彼の論文を紹介しましたが、年末年始は太宰府天満宮で御奉仕するのが恒例になっていて連絡できなかったので、という文面でした。藤立さんは皇學館大学を出て、福岡大学の修士課程在籍…

リンカーンが、40過ぎたら自分の顔に責任がある、と言った話は有名ですが、このところ、TV画面に大写しになる顔にうんざりしています。 愛知3区のオジサン、長崎3区のジイサン、かつて新幹線の駅を自分の故郷に造らせ、駅前に巨大な銅像が建っている人の…

新たな教訓

お宅の水道栓は、上から押すタイプですか、押し上げるタイプですか?リノベーションされたマンションでは時折、前者のままになっていることがありますが、じつは阪神大震災の時、押し潰された家屋の水道栓が開いたままになって止められず、その教訓から押し…

能登を懐う・3

昨夜、夕食後半ばうとうとしながらTVのリモコンをいじっていたら、「重機の達人」やら「職人魂」やら、大仰な字幕入りの画面が出てきました。重機の操縦士がインタビューに答える言葉が耳に留まり、暫く視る気になりました。どうやら土木工事によく使われる…

健康観察

午のニュースの後、広島から男子都道府県対抗駅伝の中継が始まりました。平和祈念公園や宮島があるコースなので、手仕事をしながら視ました。NHKの中継は沿道風景をあまり映さないのが不満ですが、スタートから首位を走る、長崎県代表選手の姿勢のよさに見惚…

冬野菜を食べる

金柑の進歩に驚愕した話は以前、このブログに書きました。トマトと金柑は、私たちの世代から見ると、往年のそれとは別物のようです。品種改良は日進月歩らしく、葉菜類ではさほど目立たないものの、菠薐草も昔ほどアクが強くなくなりました。最近感心したの…

能登を懐う・2

マンション階上の老婦人とEVで遭って、挨拶しました。毎春桜を訪ねて旧友と旅行する、という女社長です。能登は大変らしい、という話がEVの中で終わらず、玄関前で立ち話になりました。みんな金沢ばっかりに行くけど、能登は海も山もあって、魚が美味しくて…

阿波国便り・年始篇

徳島の原水民樹さんから、初日の出の写真と共にメールが来ました。年賀状代わりの写メールです。 徳島の初日 【初詣には為朝を祭神とする、美馬市穴吹町の白人神社を目指しましたが、道半ばで疲れてしまい、吉野川堤の散歩に切り替えました。私はゆっくり走…

古活字探偵13

高木浩明さんの「古活字探偵事件帖13」(「日本古書通信」1月号)を読みました。「伝嵯峨本の行方」と題し、源氏物語の古活字版、中でも一時有名な収集家の手に渡った「伝嵯峨本」について書いています。源氏物語の専門家には周知のことなのでしょうが、…

メルアド変更

明日1月16日には、マンションが光回線に変更する工事を行うので、終日インターネットが繋げなくなります。メールを拝見するのは夜以降になりますので、お急ぎの御用は固定電話でお願いします。 ブログ更新は、明日1日休みます。 2月1日からはプロバイ…

あくまで個人の感想です

久しぶりにセンター試験(今は大学入学共通テストと言うらしい)の、国語の問題を覗いてみました。現代評論、現代文学、古文、漢文の4題であることは変わっていませんが、現代文2問の文章量(関連資料や選択肢も含めて)の多さにまず吃驚しました。率直に…

冬本番

正月の花も残り物の食材もそろそろ尽きてきました。焼餅はバターを載せて海苔巻きにすると美味しいのですが、我が家はバターをやめたので、今朝は洋風雑煮。マギーブイヨンのスープに、合鴨スモークと博多葱と焼餅を入れました(オニオンコンソメでもよし、…

選歌、評釈

季刊の歌誌「玉ゆら」83号(2024新年号)が出ました。比較的高年齢の女性の同人が多いらしく、詠作には介護や老いを歌ったものが多く見いだされます。日常詠が大量に並ぶと、率直に言って1文31字の散文形式と殆ど変わらないなあ、という感があり、…

能登を懐う

能登へは、かつて2度ほど旅しました。能登半島を2日がかりで1周する観光バスがあって、途中の1泊はどこでも自由、翌朝決められた場所に定時に行けば乗り継げる、というコースです。 1度目はほぼ半世紀前。平家物語で以仁王を逃がすために孤軍奮闘した長…

山城便り・年始篇

定年後悠々自適の錦織勤さんに、伏見の正月はどうだった?と訊きました。 【昨年の正月3日は帯状疱疹を発症して苦しんだのですが、年末からの飲み過ぎが原因だったのではないかと(家族には言わず)秘かに反省し、今年はできるだけ飲まないように、と考えて…

1926年前後の柳田国男

伊藤愼吾さんの「1926年前後の柳田国男の物語・語り物研究とその反響ー「東北文学の研究」をめぐって」(『接続する柳田国男』水声社 2023)を読みました。 柳田国男の『雪国の春』(1928)、『物語と語り物』(1946)、『口承文芸史考』(1947)は軍記…

気づかれぬ落差

能登大地震の被害状況はなかなか全容が掴めず、報道機関も苛立っているようですが、あの東北大震災の時もこうだったのだろうか、と今になって思います。当時は日々の予定をこなしていくのに精一杯で、被害の規模や全容は受動的にしか意識できませんでした。 …

源平の人々に出会う旅 第84回「大垣市・奥の細道むすびの地」

松尾芭蕉は『平家物語』の影響を受けている著名人の一人です。たとえば、『おくのほそ道』の旅では、義経や義仲らのゆかりの地を多数訪れています。なお、書名は『奥の細道』と表記されることが多いのですが、芭蕉みずから書いた表題は「おくのほそ道」です…

信濃便り・床の間の花篇

長野の友人が、正月に床の間に活けた花の写真を送ってきました。 正月の床の間 自宅の庭先から剪ったのだそうで、花屋を探すのに苦労する都市生活とは違います。ちなみに本郷通りの老舗の花屋は、今年は30日から1月8日まで、まるまる休業(フィギュアス…

始動

米国から2通、電子年賀状が届きました。40年前の教え子安宅正子さんからは、アイスランド人の夫と娘2人の報告も交えたニューズレター形式(家庭新聞)でした。 大学2年生の長女は副専攻で救急医療を学び、まもなく級友とアパート暮らしの予定。高校最後…

吾妻鏡と源平闘諍録

清水由美子さんの論文「『吾妻鏡』と『源平闘諍録』ー千葉氏関連記事をめぐってー」(「国語と国文学」2022/12)を読みました。源平闘諍録は真名書きによる平家物語の異本で、千葉氏と深い関係にあることは知られていますが、未だ解明されていない問題の多い…

睨んで御覧に入れまする

机上の時計が止まっていたのに気づかず、團十郎一家のドキュメント番組の頭を見落としました。歌舞伎の世界は、座長を支える大勢の下積みがいて初めて成り立つことは周知の事実。暮には平成中村座のドキュメントを視ましたが、勘九郎の姿勢と團十郎の態度と…

2024正月

元旦の東京は、文字通り雲一つない青天でした(天候のせいだけでなく、人少なになりビルや車の活動が停まったからか)。手抜きした年越しでしたが、いつも通りの祝膳を用意でき、年賀状をめくりながら正午のニュースを視ていると、世界各地で新年を祝う花火…

年賀2024

あけましておめでとうございます 定年後10年経ちます。遊んで歩く所存でしたが、終戦処理をしているうちに、長門切など新資料が続々出てきて、編集者に「週刊長門切」を出そうか、と冗談を言うくらいでした。それが一段落したら、今度は長門本平家物語に関…

古活字探偵12

高木浩明さんの連載「古活字探偵事件帖12」(「日本古書通信」12月号)を読みました。「残された謎の足跡」という題で、古典籍を見て歩いていると、ときに不思議な場面に出くわすことがある、という例を書いています。現国会図書館蔵、総見寺(信長の菩…

コロナ後の年越し

朝からキャリーバッグを引く音が町内に轟く2日間。街は空きました。年末年始、東京は街が空いて快適になるのが恒例でしたが、コロナの間はそうならなかったのです。今年は帰郷する人、遠い旅行に出る人たちが増えて、東京の人口密度も適正規模になりました。…

土をめぐる冒険

先日、長野の友人が上京した折に、北越新幹線の車内で見たから、と言って、JR東日本の広報誌「トランヴェール」12月号を持ってきてくれました。「とちぎ、土をめぐる冒険」という特集です。表紙には真っ赤なとちおとめ。 新幹線に乗ると座席ポケットに「ご…