コロナの街・part3

差出人厚労省医政局経済課のマスク2枚が、昨日、我が家のポストに投函されました。いわゆるアベノマスクです。ヘルパーさんたちは、薄いガーゼなのでほぐして手作りマスクに重ねて使うそうです。一時は手に入らなかった紙類の衛生用品はもう、店頭に山積み…

大学院1年

大学院へ入学したのは1968年春でした。会社勤めを断念して入ったので、退路はないと思っていました。平家物語を研究するには仏教、歴史、漢文学も必要だと考えて、他専攻の授業にも潜り込みました。辻善之助の日本仏教史、紅顔の助教授だった石井進の中…

南北朝期の元号

君嶋亜紀さん「南北朝期の勅撰集と元号」(「文学・語学」227号)と「『新古今集』春部の柳歌ー崇徳院「いなむしろ」詠の周辺ー」(「大妻国文」51号)を読みました。前者は、南北両朝が、それぞれ自らの正統性を示すべく元号を制定した時代の勅撰集及…

不登校

生涯で学校に行かなかった時期が2度、あります。1度は大学院修士課程。大学紛争のおかげで授業はおろか、研究室も図書館も封鎖、ちょうど現在のような状態でした。その話は別に書くとして、もう1度は小学校時代。入学年齢の前年の秋、脊椎カリエスで絶対…

源平の人々に出会う旅 第40回「那須・扇の的」

元暦2年(1185)2月、義経は少数の兵で阿波国勝浦に上陸し、讃岐国屋島にある平家の館を襲撃します。海上へ逃れた平家との、陸と海との戦いとなり、源氏方の佐藤嗣信が能登守教経に射殺されてしまいます。 【那須温泉神社】 日が傾くと、平家船が陸に近づき…

読み直す憲法2020

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切…

以前と以後

コロナで振り回されているのに悲鳴をあまり上げていない、いや上げる暇も無いのが教育現場でしょう。高等教育(大学)、中高、小学校ではそれぞれ事情が違うでしょうが、特に大学ではコロナ以前、以後では授業のあり方そのものが変わってしまうのではないで…

信濃便り・芽吹き篇

長野の友人からメールが来ました。階段から落ちて骨折し、幸い、今はリハビリと日光浴を兼ねて、近所を散歩しているそうです。 [佐久間象山の号の由来と言われる山が、近くにあります。号には二通りの読み方(「ぞうざん」、「しょうざん」)がありますが、…

路傍の花

繁華街やターミナル周辺は人が減っても、街中は夫婦連れやジョギング、犬の散歩がうろうろ。なるべく人を避けて裏通りを歩くと、見慣れない車が強引に入ってきて、見ていると料理の宅配だったりする。コロナの街です。 このところ、裏通りの庭付きの家がどん…

長門本平家物語研究史

浜畑圭吾さんの「長門本『平家物語』研究小史ーその成立をめぐってー」(花鳥社公式サイトhttps://kachosha.com/gunki2020042801/)を読みました。長門本は壇ノ浦の赤間神宮に奉納され(旧国宝指定)、近世初期から知識人たちの注目を集めてきた『平家物語』…

喜寿

4月の盛花 喜寿のお祝いに大きな盛花を頂きました。薔薇、ライラック、カフェラテという名のダリヤ、八重咲きのトルコ桔梗、レースフラワー、アルストロメリアなどなど。連日、コロナで蟄居を強いられていたのに、居間の雰囲気が一遍に変わりました。 思えば…

差別と偏見

看護師の子供が保育を断られた、といった事例が、医療従事者への差別と偏見だとして問題になっています。人権侵害だとか、一所懸命働いている人たちに失礼だといったコメントも見かけました。それは違うんじゃないか、と思います。 保育園の側から考えれば、…

「自粛要請」

日本政府のコロナ対応と社会の反応に、何か違和感ーひと口で言えないずれ、噛み合わないことの「きもちわるさ」を、ずっと感じてきました。何だろう?言葉や概念規定に関係がある、と思っていたのですが、昨日の朝刊に3人の専門家(応用経済学、現代政治理論…

書き入れ

和田琢磨さんの「西源院本『太平記』の基礎的研究ー巻1・巻21の書き入れを中心にー」(「国文学研究」190)という論文を読みました。西源院本ははやくから『太平記』の古態本として重んじられてきました。昭和4年に火災に遭い、一部が読めなくなり、…

一部平家

鈴木孝庸さんの「一部平家のむかしいま」(「人文科学研究」146)という文章を読みました。鈴木さんは平家語りの研究者ですが、国文学の座学だけでなく自ら演唱を習い、ついに一部平家(平家物語全曲を通して語ること)を達成した人です。 この文章では前…

矢車

快晴ながらやや風の強い朝。人を避けて用足しに出かけました。和菓子屋にはもう柏餅が出ていました。そう、この時季の風は、鯉のぼりの鯉を泳がせ、矢車を回すだけの力がある風です。川上澄生の詩を思い出します。 岐阜の中西達治さんから葉書が来ました。ヤ…

素人の広報

自粛を要請→効き目がない→規制強化→思った通りの効果が出ない→罰則のある法規制が必要、という流れが起こりそうで、コロナより怖い気がします。県外から来るサーファーや、近郊へ観光に出かける人々に非難が集まっていますが、(政府を筆頭に)総体的な説明…

実朝の虚実を越えて

『源実朝ー虚実を越えて』(勉誠出版「アジア遊学」241 2019)を読みました。論文15本が収載されています。坂井孝一「建保年間の源実朝と鎌倉幕府」、高橋典幸「文書にみる実朝」などの史学的立場、渡部泰明「実朝像の由来」、久保田淳「実朝の自然…

コロナな日々 3rd st.

昨日は突き抜けたような晴天、洗濯物を干しながら見上げると、キラキラ光りながら飛び交うものがある。眼を凝らしてみたら、ハルノゲシや蒲公英や、たくさんの白い綿毛が青空を背景に飛んでいるのでした。 午前中はマンションの管理組合総会。管理費値上げの…

チューリップ

子供の頃、チューリップの名所とは、絵本で見る日比谷公園でした。どんな所だろう、とずっと憧れていました。一方で、♪咲いた咲いたで始まる単純なメロディと、図式化されやすい花の形は、大人らしくない、気恥ずかしいイメージもありました。 初めて行って…

穀雨

明日から穀雨。穀物の芽を育てる雨が降り注ぐ季節だそうです。我が家でも、覚えのない芽生えが幾つも出ました。梔子の根元にも、ランタナの根元にも、スパティフォラムの鉢には山吹が。暫くは育ててみます。伸びすぎた菊の芯を数本切って、土に挿しました。…

ヨーキー

徳島の友人から葉書が来ました。 [首都圏のコロナ騒動が連日報道され、気がかりです。お変わりないとは思いますが。徳島は発病者3人と公表されていますが、これは極力PCR検査を避けているためで、誰もこの数値を信用していないと思います。東京では散歩も…

Stay home!

ネット上で、訪問看護師さんが路上で、見ず知らずの老人から「看護師が外出するな」と絡まれた話を読みました。まるで、お前がウィルスを撒き散らしていると言わんばかりの剣幕だったらしい。それによく似た経験をしました。 数日前、買い物に出たら路上で、…

35万回

人気ミュージシャンの「うちで踊ろう」と抱き合わせで投稿された首相の動画ー上質そうな部屋着で、小綺麗そうな室内で、温順しそうな犬を撫で、可愛らしそうなマグカップで珈琲を飲む休日。何考えてんだ、と思ったのですが、官房長官が記者会見で、これまで…

玉ゆら

吉崎敬子さんから季刊の歌誌「玉ゆら」68号が送られてきました。吉崎さんとは大学院生時代に非常勤先(もう、どこの学校だったか、あまりに昔のことで思い出せません)で知り合って、爾来ずっとお付き合い頂いています。高校教諭を定年退職して後は、登山…

明日ありと

巴里の友人から国際電話がかかってきました。コロナウィルスはどう?と訊いたところ、外出は出来るが一々、出た時間、行き先と目的、帰宅した時間を紙に書かなければならないので面倒、との返事でした。東京はどう?と訊かれたので、もしどんな病気になって…

双方の視点

柳沢昌紀編著『日本文化研究における歴史と文学ー双方の視点による再検討ー』(中京大学先端共同研究機構文化科学研究所)という本が出ました。中京大学の文化研究所内の日本文化プロジェクトとして、日本史、日本文学の研究者10名の論文が収められていま…

政策参加

随分昔のこと(たしか57年前)ですが、蝋山政道さんが講義1時間まるまる使って、学者はもっと政治参加すべきだ、という話をするのを聞いたことがありました。その後の講義内容も科目名も覚えていないことからすると、オムニバス授業の1齣だったかもしれ…

金魚掬い

マスク不足と言いながら、街を歩くとみんなマスクをしているのが不思議です。ようやくティッシュペーパーとキッチンタオルは買えるようになりましたが、トイレットペーパーとマスクは、依然としてありません。人と口を利く時は、有名な古美術商の社長のよう…

日本文学論究79

伊藤悦子さんの論文「『耳川合戦図屏風』と『平治物語絵巻』「六波羅合戦巻」ー粉本の視点からー」(「日本文学論究」79)を読みました。合戦図屏風では『平家物語』『曽我物語』などが題材としてよく取り上げられますが、本論文は、時代の異なる合戦を描…