大名邸での生産活動

小寺瑛広さんの「旧徳川昭武庭園(戸定邸庭園)における生産活動」(「國學院雑誌」5月号)というレポートを読みました。徳川昭武(1853-1910)は最後の水戸藩主で、その私邸の戸定邸は松戸市にあり、庭園は国指定名勝となって、作庭当時の姿に復…

真っ直ぐな目

時刻がまるで分からないような、暗く垂れ込めた1日でした。今日は沖縄慰霊の日。TV中継で見る摩文仁の式典会場では、もう蝉の鳴いている年もあったのに、今年は未だ梅雨の最中です。そして去年は、痩せこけながらも背筋を伸ばした、まさに思いはただひとつ…

こまめ水

そろそろ熱中症予防の「こまめに水分を摂り、適度に冷房を・・・」という決まり文句を聞かされる季節が近づいてきました。スポーツドリンクは、あまりに体液に似ていて好きになれないので、自家製の予防水を工夫しています。定番は皮ごとざく切りにしたレモ…

大名小学校

博多の中心部、大名町にかつて、大名小学校という小学校がありました。公立ですから、ワルガキ(博多弁では「わるそう」と言います)も、商家の子も職人の子もいました。およそ100年前-この小学校に1人の男の子が転校してきました。みんなの目を驚かせ…

地震見舞

17日の朝も18日の夜も、ゆっくり長く揺れる地震を感じ、遠いけど大きいな、と思いました。17日は茨城で、18日は新潟・山形がたいへんだったようです。1日置いて友人にお見舞いメールを出しました。山形の菊地仁さん(中古和歌文学)と、新潟の鈴木…

風の家

銀行へ固定資産税の支払いに行きました。最近どうも、目に見えない値上がりがあるようで、年金だけでは2ヶ月が賄えないことが多くなりました(金融庁は、自民党には謝っても国会で謝る必要はない、いや、謝ってはいけない、と思います。老後の可処分資産を…

神楽歌の秘曲

中本真人さんの「神楽歌の秘曲「宮人」をめぐって」(「中世文学」64号)を読みました。大会発表も聴いたのですが、こうしてまとめられると要点がよく分かります。 神楽歌「宮人」は、楽師の家である多(おおの)氏に伝わる秘曲でしたが、多資忠が堀河天皇…

庭の山椒の木

山椒の木の苗を貰う約束で、友人(中世英文学が専門)と呑みました。焼鳥屋に入り、2人とも日本酒好きなので、日高見・上喜元・伯楽天・田酒・黒龍・仙禽・・・店の奨めに従って燗にしたり冷やにしたりして、5時間以上お喋りしました。話題は縦横無尽に飛…

父の日

父の日にネクタイを贈る娘は多いのではないでしょうか。我が家では、誕生日と父の日にはネクタイを贈ることになっていました。父の日には夏物のタイを選ぶのですが、稼働率が低いので、扇子にすることもありました。 それゆえ、男性に会うとまずネクタイを見…

加齢臭

大失敗をしました-ロベリアがどんどん枯れていくので、ブルーサルビアをもう1株、買い足したのですが、葉はこすると芳香を放つのに、花は何と加齢臭に似た匂いを出すのです。1株だったら気にならなかったのですが、今日のようなしめじめと雨の降る日、蜜…

替え歌

植木朝子さんの「歌い替え・替え歌・連作・類型歌・継承歌-今様のヴァリアントをめぐって-」(「古代文学」56号 2017/3)を読みました。 芸能はゆれるのが当たり前、むしろ固定した時に芸能としては死ぬ、と考えていたのですが、なるほど歌謡の「…

鎌首

朝一番に青虫に遭ってしまいました。梔子(くちなし)につく小さな蛾の幼虫です。雀が見逃したらしい。葉に隠れてなかなか見つけにくいのですが、きれい好きらしく、お尻を振って糞を地上に撒き散らすので、見つかります。久しぶりに爽やかな好天、ムスカリ…

ついてない日

今年2匹目のゴキブリに遭ってしまいました。若い人に関してちょっと厄介な話にぶつかり、しょげていた夜です。父の郷里福岡ではこの虫をゴッカと呼び、夏の夜、突然現れたところを追いかけ回すには短くて呼びやすいのですが、東京ではゴキブリと呼ぶのに、…

2000万

金融庁の有識者会議、金融審議会の市場ワーキンググループが出した報告書が話題を呼んでいます。国会では、首相がずれた答弁をし、財務相は記者会見で、報告は政府の方針に合わないから受け取らない、と言う(諮問したんじゃないの?)。報告書をよく読めば…

雨の丸の内

梅雨入りしたばかりだというのに、梅雨明け直前のような土砂降りの雨。風も出て来た夕方、丸の内のレトロな会館で、2度目の会議がありました。審議材料は多かったのですが、議長の手綱捌きのおかげでどうやら時間内に終わることができました。 応募書類を書…

紳士靴

昨日今日、近世文学会が開かれ、これで今年上半期の国文関係の学会は一通り終わります。昨日、近世の懇親会場で鞄を取り違えられた本屋さんが、ツイッターで周章狼狽していました。近世の懇親会はかつては樽割りで始まるので有名、酒豪揃いが徹底的に呑む懇…

梅雨入り

関東は梅雨入りした、との発表がありました。昨日は雨に濡れそぼった雀が我が家の石榴や梔子の枝に潜り込み、暫く友を呼んでいました。梔子につく青虫を食べてくれるので大歓迎です。今朝は買い物に出ただけで汗が流れるほどの湿気でしたが、午後からは薄日…

運転免許

高齢者が運転する自動車事故の報道が目につきます。死傷事故は論外ですが、物損事故であっても、晩年に不祥事を引き起こすのは残念なことです。瞬発力や総合判断力が、知らず知らずに落ちているのに自分では気がつかない(気がつきたくない)のでしょうが、…

ガクアジサイ

先週、通りすがりの家で気前よくガクアジサイを分けて貰った時、じつは内心、紫陽花は水揚げが難しい、貰っても手がかかるだけかも、と思ったのでした。しかしせっかくの機会だからと、大ぶりの花のついた枝を5本、提げて帰り、とりあえずバケツの水に投げ…

丸の内の夕暮

丸の内のレトロな会館で会議がありました。今年は審議材料が少なかったので、会議は早めに終わりましたが、一服しながら様々な情報を交換しました。メンバーはいずれも人文系の大学教授・名誉教授ですが、専門以外にも詳しい分野があり、さらにそれ以外に一…

女学生の教養誌

『女学生とジェンダー 女性教養誌『むらさき』を鏡として』(今井久代・中野貴文・和田博文編 笠間書院)という本が出ました。450頁を超え、執筆者は近代文学研究者を中心に30名を超えています。1934年から戦時中の一時中断を経て現在も発行されて…

源平の人々に出会う旅 第29回「大津市・木曽の最期」

寿永3年(1184)1月20日、京都で東国軍との戦い(河原合戦)に敗れた義仲は、めのと子の今井兼平がいる勢多へ向かいます。巴や手塚光盛ら、わずかな従者も討死や離脱し、とうとう義仲・兼平主従二騎となってしまいます。 【今井四郎兼平の墓】 義仲は自害する…

献花

6年前に定年退職して、区の地域包括ケア推進委員会の高齢者枠に応募しました。2年間、地域福祉協議会にも出て、とてもいい勉強をしました。地域福祉というもの、行政サービスという仕組みはこういう風にできているのか、とまさに目から鱗でした。 その折、…

紫陽花の週末

学部の母校同窓会の「もより会」に出ました。地方支部のそのまた支部、母校のある文京区の支部が年1回やっている茶話会です。今年は同窓会館が「国際交流留学生プラザ」という新築の建物内に移ったので、観に行きました。隈研吾設計だそうで、軍艦の船腹に…

カルデラの裾野

雑誌「軍記と語り物」55号が届きました。今号が掲載するのは大会講演と研究展望と、会の事業報告及び軍記物文献目録だけです。例会発表要旨には力作もあるのに、どうして投稿論文が載っていないのでしょうか。淋しい。大会講演の松薗斉さん「13世紀の知…

銘酒

長野の友人が銘酒を1本、送ってくれました。我が家の名(正しくは、京都の酒の神の名前)のついた酒です。とりあえず仏壇に上げました。 このところ暑い日が続いたので、晩酌に350mlの缶ビールを1週間続けて呑んだら蕁麻疹が出てしまいました。情けな…

幸若舞曲と絵画

海の見える杜美術館が3月2日から5月12日まで開催した特別展「幸若舞曲と絵画―武将が愛した英雄たち」の図録を読みました。この図録には海の見える杜美術館の谷川ゆきさんと、国文学研究資料館の小林健二・恋田知子・粂汐里さんとが解説を書いています。…

高齢化社会

2025年までに認知症患者を6%減らす、という数値目標が出されたことの是非は、もっと議論されていいと思います。なぜなら、政策として数値目標が設定されると、行政の現場では100%に近い達成率を出そうとして、現状認識からいじろうとするからです…

格闘技

朝からヘリコプターが低空で飛び回り、うるさい。いらいらしているよりはリアルタイムで、とNHKのネットニュースを視ることにしました。ちょうど、黒塗りの大きな車が松の散在する広場を突っ切って、二重橋を渡るところでした。 24日から、我が家の上空は…

百首歌として

野本瑠美さんの「百首歌としての『隆房集』」(「国文学研究」187)を読みました。『隆房集』は藤原隆房(1148~1209)が詠んだ恋歌を集めた歌集ですが、内容の一部が平家物語の小督説話と一致しており、あたかも小さな物語のように編成されてい…